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感染妊婦が前月の50倍に…「専用病床」埋まり、自宅療養も増加

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 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の流行に伴い、妊婦の感染者が急増している。東京都が医療関係者用にまとめた速報値によると、1月は20日までに261人と、すでに前月の約50倍に上る。感染妊婦用の病床が埋まる病院も出ており、自宅療養が増え、急変時に入院できなくなる恐れがある。

感染妊婦が前月の50倍に…「専用病床」埋まり、自宅療養も増加

感染した妊婦から生まれた新生児にミルクを与える助産師(20日、千葉大病院提供)

 感染妊婦を受け入れる医療機関は、コロナ診療に加え、妊娠・出産への対応も必要なため限られる。千葉県で昨年8月、感染妊婦が入院できずに自宅で早産し、新生児が死亡した問題を受け、各地で専用病床を整備する動きが広がった。

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賛育会病院の妊婦専用コロナ病床に入院する妊婦(1月27日、賛育会病院提供)

 賛育会病院(東京都墨田区)では、28日時点で9人が入院。感染妊婦や子ども専用の計7床は埋まり、妊婦は一般のコロナ病床にも入っている。前週までは、発熱やのどの痛みの軽症者だけだったが、今週は2人に肺炎が確認された。山田美恵・産婦人科部長は、「感染妊婦の入院要請が続いており、持ちこたえられるか心配だ」と危機感を募らせる。

 同病院に入院中の妊娠8か月の会社員(20)は、夫が感染し検査を受けた。自身のコロナの症状は数日で軽くなったが、「早産したらと不安だった。入院できてよかった」と話す。

 千葉大病院(千葉市)では、感染した妊産婦用に確保した2床は、今月中旬からほぼ空くことがない。千葉県のまとめでは、県内の感染妊婦は、昨年10~12月はゼロだったが、1月は20日現在で約50人となり、自宅療養が多い。

 妊婦が感染すると、症状が重くなりやすいという報告や、早産リスクが高まるとの研究もある。また、妊娠中は胎児のために血中酸素濃度は95%以上が必要とされる。

自宅療養、息苦しければ救急車を

 日本産科婦人科学会などは、自宅で療養する妊婦に向けて、体調を管理する際の目安をまとめている。

 〈1〉1時間に2回以上の息苦しさを感じる〈2〉心拍数が1分間に110回以上〈3〉安静時の血中酸素濃度が93~94%から1時間以内に回復しない――などの症状があれば、かかりつけの産婦人科医か保健所に連絡する。

 息苦しさで短い言葉も話せなくなったり、血中酸素濃度が92%以下になったりした時は、救急車を呼ぶ。

 中井章人・日本医科大多摩永山病院長は「今後、自宅療養する妊婦は増えるだろう。行政が、感染した妊婦を確実に把握し、産婦人科のかかりつけ医と連携して、急変を見逃さないことが重要だ」と話している。

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