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【独自】自衛隊の東京会場利用、3回目接種券発行に一部遅れ…予診票が「滞留」

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 昨年、自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種を東京で受けた人への3回目接種券の発行が、一部自治体で遅れていることがわかった。過去2回の接種日が記された予診票が自治体に送付されず、「滞留」しているためだ。自衛隊は28日から3回目の予約を始めるが、予診票なしでは正確に履歴を確認できないとして券発行を見合わせる自治体は多く、大規模接種が進まない懸念もある。

【独自】自衛隊の東京会場利用、3回目接種券発行に一部遅れ…予診票が「滞留」

昨年、自衛隊が開設した大規模接種センター東京会場(昨年11月、東京都千代田区で)

 昨年の自衛隊の大規模接種は、5~11月、東京会場(東京都千代田区)で計131万回、大阪会場(大阪市)で64万回実施された。

 接種者は会場で接種券と、接種履歴や持病などを記した予診票を提出し、自衛隊はそれらを月ごとにまとめて、東京都と大阪府の国民健康保険団体連合会(国保連)に送付。国保連は、予診票に不備がないかチェックし、接種費用を計算した上で、接種の翌々月までに接種者が居住する自治体に送ることになっている。

 ただ、国保連は、企業などの職域接種の予診票チェックも担っており、東京都国保連によると「最大でも月30万件とみていたが、7月には60万件を超えるなど想定を大幅に上回った」という。このため、都国保連は昨夏、自衛隊に、「職域接種の処理を優先するため、自衛隊分は当面、後回しにさせてほしい」と相談し、了承を得た。

 この措置について、厚生労働省健康局は「この段階では3回目接種は想定されておらず、自衛隊分の費用請求が多少遅れても問題ないと考えた」と説明する。

 しかし今月に入り、自衛隊の3回目大規模接種が決まった。

 都国保連は後回しにした自衛隊分の処理などのため、当初は約90人だった職員を最終的に約580人に増員し、急ピッチで予診票の自治体送付を進めている。

 政府の前倒し方針により、昨年8月に2回目を終えた人は今年2月から3回目が打てる。自衛隊は「接種券のない人には接種できない」としており、都国保連は2月末までには後回しの予診票を送る方針だ。

 一方、大阪では予診票の滞留は起きていない。大阪府国保連の担当者は「予診票が届けば、通常通り審査し、自治体に送っている。遅れはない」と話す。

 自衛隊は、個々の接種者情報を国の「ワクチン接種記録システム(VRS)」に登録しており、自治体の中には、予診票が届かなくてもVRSで確認して3回目の券を発行しているところもある。ただ、「正確さを期すため、予診票の到着を待ってVRSと照合してから、券を発行する」という自治体も多い。

 そのうちの一つ、千葉県市川市では、昨年末以降、市民から「3回目の接種券が届かない」といった問い合わせが数十件相次ぎ、大半が自衛隊の大規模接種を受けた人だった。

 国保連から予診票が届いても、データ入力作業などのために接種券の発行には最短でも約2か月かかるという。自衛隊接種を受けた市民は少なくとも数万人に上るとみられ、市疾病予防課の担当者は「3回目の券が届かない人は、市役所に問い合わせてくれれば個別に対応する」としている。

 同じく予診票の到着を待つ東京都豊島区でも、3回目の券発行の遅れが生じているとみられるという。

 会場を運営する防衛省の幹部は「自衛隊の会場で3回目を接種する人の多くは、前回までの利用者だとみている。その人たちに接種券が配られないと、閑古鳥が鳴く」と心配していた。

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