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子どもの健康を考える「子なび」

医療・健康・介護のコラム

おなかのトラブル(5)子どもの便秘 腸・肛門に異常があることも…排便「不安行動」見逃さない

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  このシリーズでは、大阪母子医療センターの恵谷ゆり消化器・内分泌科主任部長に聞きます。(聞き手・石川千佳)

 排便の回数が1週間に2回以下と少なかったり、便が出にくくて強くいきんだり、また、硬い便でおしりが切れたりする状態を便秘といいます。乳児期からひどい便秘が続いたり、おなかが強く張っていたりする場合は、腸や肛門などの異常が原因のことがあります。小児科で相談してください。

 排便時に痛い思いを何度も経験すると、子どもは、排便が怖くなり、便意を我慢するようになる傾向があります。そうなるとさらに便がたまる悪循環に陥ってしまいます。

 子どもたちの排便に対する不安は行動に表れてきます。例えば、できるだけ一気に便が出ないように足を交差して立って排便する子もいます。また、部屋の隅で隠れて排便する、尿はトイレでできるのに排便はおむつでないと出せないなどの行動は、少しでも安心できる状態になろうとしていると考えられます。よく観察してあげましょう。

 重度の便秘で、大きな便の塊が肛門に近い直腸やその上のS状結腸などにたまると、塊の上にある、ゆるい便が知らない間に出てしまう「漏便」をきたすこともあります。下痢と間違われることがありますが、本人に便を出した自覚がないのに漏れてしまうことがポイントです。わざと漏らしているわけではないのに、家族から叱られて傷ついていることもあります。

 排便が怖くて便を我慢しているような状態では便秘は治りません。本人が安心して便を出せるようになるまでしっかり便秘の治療を継続することがとても大切なのですが、そのコツやポイントは次回お話しします。

恵谷ゆり 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医

【略歴】
 恵谷ゆり(えたに・ゆり) 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。大阪市立大卒。大阪府立急性期・総合医療センター(現大阪急性期・総合医療センター)小児科、大阪母子医療センター消化器・内分泌科に勤務し、2017年から現職。

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