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しこりやくぼみに注意して…乳がん意識する「ブレスト・アウェアネス」って何?
Q 乳がん検診で、「ブレスト・アウェアネス」という言葉を聞いたよ。何のこと?
ヨミドック ブレスト(breast)は英語で乳房、アウェアネス(awareness)は気づいていることという意味。「乳房を意識する生活習慣」のことです。昨年10月、厚生労働省のがん検診に関する指針に盛り込まれました。乳がん対策のための大切な考え方です。
Q 生活習慣……。どんな生活にするの?
ヨ 〈1〉自分の乳房の状態を知る〈2〉乳房の変化に気をつける〈3〉変化に気づいたらすぐ医師に相談する〈4〉40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける。国の指針でも、40歳以上は2年に1回、乳がん検診でマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)を受けることが勧められています。
入浴やシャワーの際、鏡で見たり、触ったりしてください。せっけんをつけて、なで洗いするのもいいですよ。
Q 乳房の「変化」って?
ヨ しこりやくぼみの有無、乳頭から分泌液が出るなどの「変化」です。分泌液が黒色や赤褐色の場合は特に注意が必要です。乳がんによる症状の可能性があります。

「痛みもないし、大丈夫」などと侮ってはいけません。できれば、乳腺の専門医がいる医療機関を受診しましょう。
Q 乳がんの兆しって、自分でわかるの?
ヨ 乳がん患者会「あけぼの岡山」が2020年に行ったアンケート調査(576人が複数回答)では、しこりに気づくなど「自分で見つけた」が58・7%でした。次に「検診で要精密検査と言われた」が41・5%。ほとんどは自分で見つけるか、検診で見つかります。
Q 乳がん検診を受けていればいいと思っちゃうけど。
ヨ 検診で乳がんが100%見つかるわけではありません。マンモグラフィーでは、がんが見えにくい人もいます。乳腺の割合が高い「高濃度乳房」と呼ばれるタイプの人です。画像では乳房全体が白く写って、がんの有無がわかりにくいのです。40歳以上の日本人の約4割が、高濃度乳房と考えられていますが、正確なデータはありません。
普段から自分の乳房の状態を意識することで、変化に早く気づき、早期の受診につなげましょう。
(塩島祐子/取材協力=植松孝悦・静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科部長、宮本絵実・乳がん患者会「あけぼの岡山」代表)
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