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半身不随になった友人をどう励ませば…「一人じゃないから」の思いは届く

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 事故で半身不随になり、自宅に閉じこもりがちになった友人をどう励ませばいいか――。そんな悩みを抱える60歳代の桂子さん(仮名)のことを昨年12月5日に紹介したところ、読者から LINEライン などで多くの意見が寄せられました。

「一人じゃない」思いは届く

夕日に照らされる若草山の山頂。スロープが整備され、車いすでも登りやすい(奈良県提供)

 「ありのままのご友人を受け入れ、気持ちに寄り添うのが最善策だと思います」。兵庫県西宮市の木村陽子さん(50)は、メールにそうつづりました。

 木村さんには障害のある妹がいて、子供の頃から家族を助けようと一生懸命でした。10歳代後半で心のバランスを崩し、約1年間、自宅にこもりました。

 木村さんも桂子さんの友人と同じように、周囲から「変わってほしい」と期待されました。「友達と出かけたら」「頑張って」。そんな言葉をかけられると、生き方を否定されたようで傷ついたといいます。「期待を押しつけずに今の姿を受け止め、こちらが助けを求めたら手を貸してくれる友人がいたらうれしかった」と振り返ります。

 木村さんは桂子さんに、「自分の気持ちを正直に伝えること」を勧めます。40歳を過ぎてから親に「さみしかった」と打ち明けたのを機に、親子の関係が改善した経験があるからです。「外の世界とつながろうとしない友人のことがもどかしいなら、そう言ってもいい。自分の気持ちを正直に相手に話すことによって、結果的に対等で、いい関係でいられると思います」とアドバイスします。

 登山が趣味だった桂子さんの友人のため、〈バリアフリー登山〉を提案してくれたのは、立命館大の学生です。

 奈良市の若草山では、標高342メートルの山頂付近に、車いすのまま登れるスロープが整備されています。山頂にはシカがいて、奈良公園や平城宮跡などを見渡すことができます。愛好家グループから「新日本三大夜景」にも選ばれました。

 周囲からの気遣いへの感謝をつづった人もいました。

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 大阪府内の女性(62)は、脳 梗塞こうそく で言葉が不自由になった夫と一緒に暮らしています。夫には、2か月ごとに「最近どうや」と訪問してくれる友人がいるそうです。「夫は会話ができませんが、ニコニコと応対しています。外からの風を運んでいただいているようで、とてもありがたいと思っています」

 なるほど、いろいろなアプローチがありますね。正解は決められませんが、一つ言えることは「気にかけているよ」「一人じゃないから」というメッセージが伝わることが大切なのかもしれません。

 桂子さんの友人が事故に遭ってから8年。境遇が変わっても途絶えることがない関係が、いつまでも続くことを願っています。

今回の担当は

 川崎陽子(かわさき・ようこ) 孤立問題に関心がある。北新地の放火殺人事件では、大勢を自殺の道連れにする犯罪心理を取材。

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 〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社社会部「言わせて」係

 iwasete@yomiuri.com

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