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「コロナ病床にも一般救急患者を」…厚労省通知、柔軟な病床活用に切り替え

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 新型コロナウイルス患者用の病床拡充により、「コロナ以外」の救急患者の受け入れが困難になっている問題で、厚生労働省は20日、一般の救急患者を空いているコロナ病床で受け入れるよう、都道府県に通知した。同省はこれまで、コロナ用に確保した病床は、空床となっても国が補助金を支払って空いたまま維持することを求めてきたが、一般救急の 逼迫ひっぱく を受け、柔軟な病床活用に切り替えた形だ。

「コロナ病床にも一般救急患者を」…厚労省通知、柔軟な病床活用に切り替え

厚生労働省

 コロナ患者が急増した昨夏の「第5波」では、一部病院で、コロナ病床にコロナ以外の一般患者を入れ、転退院に時間がかかったために病床逼迫が起きた。こうしたことから、厚労省は11月、コロナ用に確保し、国が補助金を出している病床については「コロナ以外の患者を受け入れてはいけない」と都道府県などに通知していた。

 この結果、現在の第6波では各病院でコロナ病床の確保が進んだが、変異株「オミクロン株」の感染者は軽症や無症状の人も多く、東京都の病床使用率は29%(20日時点)。全国的にも、コロナ病床の半数以上が空いている自治体が多い。

 一方で、冬場は救急搬送が増えることもあり、一般救急医療の逼迫が深刻化している。

 都内では、18日までの1週間で、5か所以上の医療機関に受け入れを断られるか、20分以上搬送先が見つからなかった事例が1日平均で過去最多の203件に上った。都医師会の猪口正孝副会長は「通常医療も含め、ぎりぎりのところで一生懸命やっている状態だ」と話している。

 この状況を受け、厚労省は、コロナ感染が疑われる発熱患者のほか、心筋 梗塞こうそく などの救急患者を、コロナ用の空き病床で一時的に受け入れることを容認することにした。同省は20日、「コロナ患者の受け入れに支障がない範囲で柔軟な病床利用をしてほしい」と都道府県に求めた。

 一般救急医療の逼迫は、コロナ病床を持たない病院でも深刻化している。

 深川立川病院(東京都江東区)ではこれまでは1日6台程度だった救急車の受け入れ要請が、今月10日以降、18台程度に増加した。

 90床ある一般病床は90%以上が埋まっており、19日夜から翌朝にかけては14件の救急受け入れ要請があったが、実際に受け入れることが出来た救急車は6台のみで、残りは断らざるを得なかったという。

 立川裕理院長は「救急で来る患者さんは全員を受け入れたいがかなわず、心苦しい」と話した。

 救急患者の受け入れ実態を探るため、東京都は、島部を除いた都内の約300の医療機関を対象に緊急アンケートを17日から実施している。〈1〉現状で受け入れ可能な救急患者数〈2〉受け入れが困難な理由――などを調査しており、21日までの回答を求めている。都は今後、要因を分析し、対策を検討するという。

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