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石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」

医療・健康・介護のコラム

ヨネスケさんだけじゃない…熟年になって「妻が大事」は時すでに遅し 仕事の絶頂期こそ家族重視で

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だれもが迎える落日の時を想像して

 熟年離婚が多いのも、仕事人間の男性が定年退職をした直後あたりです。多くの男性が、やっと仕事から解放され、妻や子供たちとの時間を大切にしようと考えていても、もうそれはすでに破綻しているのです。高度成長期に仕事をセーブするのは、大変難しいことだったでしょう。そのような社会全体が悪かったのですが、日本の経済が成長している時に、その後に起きる自分の家庭の崩壊など誰も予想はできません。中高年の男性にとっては、仕事中心だったかつての生活が、熟年離婚や卒婚につながっていると、覚悟を決めなければならないでしょう。

 かく言う私も仕事人間で、妻や子供たちの世話をないがしろにしてきた覚えがあります。50代でそれに気づいて、仕事よりも家庭生活に重きを置くようになりました。そして、孫が増えてきたのを機会に、61歳で大学を早期退職し、孫の世話をしています。もちろん仕事も少しは続けていますが、この決断で家族関係は随分良くなったように思います。だれでも自分の仕事が順調な時には、家族の気持ちになかなか気づかないものですが、いずれ落日を迎えます。その時を想像して、家族との絆をしっかりとつないでいた方がよさそうです。

 最後に、スウェーデン出身のハリウッド女優、グレタ・ガルボの名言をご紹介します。

 「結婚をしないで、なんて私は 馬鹿(ばか) だったんでしょう。これまで見たものの中で最も美しかったものは、腕を組んで歩く老夫婦の姿でした」(石蔵文信 大阪大学招へい教授)

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石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)

 内科・循環器・性機能専門医。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。大阪市内と都内で男性更年期外来を担当。主な著書に『夫源病』(大阪大学出版会)、『男のええ加減料理』(講談社)、『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』(幻冬舎新書)など。自転車による発電に取り組む「日本原始力発電所協会」代表を務め、男性向けの「ええかげん料理」の教室を各地で開くほか、孫育てに疲れた高齢者がネットで集う「孫育のグチ帳」を開設するなど多彩な活動をしている。ホームページは「男性更年期 夫源病 石蔵文信

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