女優 仁科亜季子さん
一病息災
[女優 仁科亜季子さん]4回のがん(2)離婚し女優復帰を決意 直後に胃の希少がん・GISTを発見…「また、来たか」
俳優の故松方弘樹さんと1998年に離婚した。2人の子どもを引き取り、家族を支えるため、20年ぶりに女優としての復帰を決意した。その直後に、胃に希少がん・GIST(消化管間質腫瘍)が見つかった。通常の胃がんとは異なり、粘膜の下にできる。
最初の子宮 頸 がんとは関係のない部位のがんに「また、来たか」とショックを受けた。胃の上部にできたがんは6センチ×9センチと大きく、再び開腹手術となり、胃の3分の1と 脾臓 を切除した。「子宮頸がんの手術の傷はおへその下から。今度はみぞおちから。傷跡がつながって線路みたい」と今は明るく語る。
しかし、手術後は、食事で苦労した。食道の動きが悪くなって、食べ物がうまくのみ込めないのだ。「うっ」とのどに詰まると、水を飲んでも押し流せず、トイレに駆け込んだ。体重は46キロから37キロに急減した。
血糖値が下がってふらふらになって冷や汗が出る。糖分補給にチョコレートなどを持ち歩いた。そして無理なくのみ込める食べ方を身につけた。食事は細かく分けて、少量ずつ、よくかむ。おすしは3分割し、つるっと入る麺は要注意。食べられるようになると、少しずつ体重は戻っていった。
47歳で本格的に女優の仕事に復帰した。若いころの経験は、長くはない。「こんな私でも使っていただけるなら、 真摯 に取り組む」。そんな気持ちだった。そうして仕事は回り始めた。
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女優 仁科亜季子 さん(68)
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