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うつ病への電気刺激、有効な組み合わせは

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 うつ病に対するニューロモデュレーション治療が注目を集める中、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)療法と薬剤または精神療法との併用療法の有効性はあまり検討されていない。中国・Fudan UniversityのJingying Wang氏らはより効果的なうつ病治療を探るため、tDCS療法と抗うつ薬または精神療法などとの併用療法の有効性を検討するシステマチックレビューおよびメタ解析を実施。結果をBMC Med( 2021;17:319 )に報告した(関連記事『 うつ病の神経刺激療法、有効性が高いのは 』)。

シャム刺激対照RCT 12報・455例が対象

うつ病への電気刺激、有効な組み合わせは

※画像はイメージです

 うつ病治療においては、従来に比べ有効性の高い治療薬や治療法が臨床導入される一方で、依然として患者の約10%に症状の慢性化や、認知機能または心理社会的機能の障害による重症化が認められるといった課題も残る。より最適化された治療法を探るため、Wang氏らはtDCS単独療法、tDCS+抗うつ薬併用療法、tDCS+精神療法などの組み合わせについて有効性を検討するシステマチックレビューおよびメタ解析を行った。

 PubMed、Medline、EMBASE、PsycINFO、Web of Science、OpenGreyから”depress””major depressive disorder(MDD)””transcranial direct current stimulation(tDCS)”でキーワード検索をかけ、2006年1月1日~20年8月17日に掲載された論文を抽出。シャム刺激対照ランダム化比較試験(RCT)12報・455例についてメタ解析を実施した。

 主な背景は平均年齢45.7歳、女性58.2%で、実刺激群251例、シャム刺激群204例。ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)またはMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)で評価したベースライン時の抑うつ症状の平均スコアは実刺激群24.36〔標準偏差(SD)±5.74〕、シャム刺激群25.36(SD±5.13)と、両群に有意差は認められなかった。

tDCS+抗うつ薬併用療法でのみ有効性認める

 メタ解析の結果、シャム刺激群に比べ実刺激群では抑うつ症状スコアが有意に低下したものの(z=2.38、P=0.017)、全ての組み合わせ療法の総合効果サイズは小さく(Hedgeのg=-0.442、95%CI -0.805~ -0.079)、異質性は中程度(I=67.7%、Q=37.18、P<0.001)であった。中止例の割合は実刺激群7.17%(251例中18例)、シャム刺激群11.8%(204例中24例)と、両群に有意差は示されなかった(z=1.48、P=0.140)。

 次に、うつ病の重症度改善効果について、tDCS単独療法、tDCS+抗うつ薬併用療法、tDCS+精神療法、tDCS+電気痙攣療法(ECT)の4群で比較した。その結果、tDCS+抗うつ薬併用療法群(Hedgeのg=-0.855、95%CI -1.234~-0.475、z=4.42、P<0.001)のみで優越性が示され、他の3群では示されなかった。tDCS単独療法群でのみ、高い異質性が確認された(I=85.2%、Q=20.26、P<0.001)。

 さらに、シャム刺激群に対する治療反応率のオッズ比(OR)を求めたところ、tDCS+抗うつ薬併用療法群にでのみ有意差が示された(OR 2.700、95%CI 1.332~5.471、z=2.76、P=0.006)。

 以上から、Wang氏らは「シャム刺激に比べ、tDCS単独療法による抑うつ症状スコアへの効果サイズは極めて大きいことが示唆された」と結論。「tDCS+抗うつ薬の併用療法は同スコアの改善および治療反応率が良好であり最適化された組み合わせであった一方、tDCS+精神療法には顕著な有効性は示されなかった」と付言し、さらなる研究により治療戦略の検討が重要との見解を示している。(松浦庸夫)

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