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コロナ禍で安易に飼いたくなる犬猫、限界感じ手放す人も増加…専門家「寿命まで飼う覚悟して」

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 新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増える中、ペット人気が高まっている。一方、コロナ禍による経済的困窮で飼っていたペットを手放したり、安易な気持ちで飼い始めて飼育が困難になったりする事例もみられる。専門家は「ペットを寿命まで飼う覚悟を持ってほしい」と呼びかけている。

保護猫の譲渡最多

コロナ禍で安易に飼いたくなる犬猫、限界感じ手放す人も増加…専門家「寿命まで飼う覚悟して」

ツキネコカフェで保護されている猫たち(13日、札幌市中央区で)

 「テレワークやステイホームの影響で、家で猫を飼いたいと思う人が増えた」

 NPO法人「猫と人を つな ぐツキネコ北海道」(札幌市中央区)の滝沢礼奈さん(40)はそう話す。同NPOは捨て猫や野良猫などを保護し、猫と触れ合える「ツキネコカフェ」を運営。新しい飼い主を探す譲渡事業も行っている。

 コロナ禍前の2019年に譲渡した猫は334匹だったが、感染が拡大した20年は446匹、21年は477匹と2年連続で過去最多を更新した。

 保護猫を一時的に預かる同NPOのボランティアも、「家にいる時間が増えたので動物と触れ合いたい」などとして、19年の約80人から現在では約150人に増えたという。

 一般社団法人ペットフード協会によると、20年の新規飼育数(推計)は、犬が前年比18%増の41万6000匹、猫は同16%増の46万匹。21年も犬猫ともにコロナ禍前を上回り、犬は39万7000匹、猫は48万9000匹だった。

 ペットショップ「ワンダードック平岸本店」(同市豊平区)ではコロナ禍でペットを飼いたいとの相談が倍増し、新型コロナ対策で支給された1人あたり10万円の「特別定額給付金」を使って犬を買い求めた人もいたという。吉河和正社長(64)は「『学校が休みになり旅行や遊園地に行けないのでペットを飼いたい』などと話す人も多い」と言う。

飼育放棄は「虐待」

 一方、同NPOには昨年2月、約30匹の猫を飼っていた60歳代の女性から「コロナでパートのシフトが減って収入が減り、とても猫たちを飼い続けられない」と相談があった。猫は同NPOが保護した。変異株「オミクロン株」の感染拡大などを念頭に、滝沢さんは「生活困窮者が増えて飼育に限界を感じる人たちが増える可能性がある」と危機感を募らせる。

 また、NPO法人「しっぽの会」(長沼町)には今月上旬、コロナ禍でハスキー犬を飼い始めた男性から「出張が多くなり、家を空ける機会が増えたので、飼いきれなくなった」と相談が寄せられたという。

 動物愛護に詳しい浅野明子弁護士は「生まれたばかりのペットを飼育放棄することは『消極的な虐待』にあたる。早めに周りに相談してほしい」と話している。

購入トラブル相談最多…20年度、全国324件

 犬や猫のブリーダーからペットを購入する際のトラブル相談が2020年度、全国で記録の残る11年度以降、最多の324件に上ったことが国民生活センターのまとめでわかった。21年度も12月末時点で253件に上り、20年度の同時期より25人多いという。

 同センターによると、約80万円で購入したチワワが先天性の心臓病を患っていたのに購入時に健康状態の説明や契約書の交付がなかったケースや、猫の購入に予約金5万円を支払ったが、キャンセルの返金に応じてもらえなかったケースなどがあった。

 センターの担当者は「ブリーダーからペットを購入する際には直接会って動物を確認し、契約書を交わすことが重要。キャンセル時の対応や購入後に問題があった場合の保証内容を確認してほしい」と呼びかけている。

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