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ニキビの痕を残したくない…軽いうちに受診 薬効くまで辛抱強く
Q ニキビが出来ちゃった。頬にも顎にも。
ヨミドック 触ったりつぶしたりしないでくださいね。周囲の皮膚も傷つけて悪化させやすくなります。
Q どうして出来るの?
ヨ ニキビは「尋常性ざ 瘡 」と呼ばれる皮膚の病気で、日本人の9割以上が経験しているといわれます。毛穴の出口が詰まって、炎症が起きています。
Q 炎症が……。
ヨ 健康な肌は、皮脂腺でつくられた皮脂が毛穴を伝って皮膚の表面を覆います。皮脂が過剰になり毛穴が詰まると、黒色や白色に小さく膨らんで見えます。「面ぽう」というニキビの前段階の状態です。さらに皮脂がたまると、アクネ菌と呼ばれる皮膚の常在菌が増殖して炎症を起こし、赤く腫れたり、 膿 を持ったりするニキビになります。
Q 「ニキビは、青春のシンボル」と言う人もいるね。
ヨ ニキビは思春期以降に発症します。ホルモンのバランスが不安定になり皮脂の分泌が盛んになる時期です。顔や、胸と背中の中央部など皮脂腺が発達した毛穴のある部位に出来やすく、早い人は小学校の高学年頃に始まります。
Q 治療はどうするの?
ヨ 炎症を起こしたニキビには、アクネ菌を抑える抗菌薬や過酸化ベンゾイルを使います。ニキビの原因となる毛穴の詰まりや皮脂の通りを改善するのは、アダパレンや過酸化ベンゾイルの塗り薬が有効です。薬の効果が表れるには1~3か月間かかります。
Q すぐ治らないんだね。
ヨ 再発しにくい肌にするため、辛抱強く治療を続けることが大切です。時間がたてば徐々に症状が改善しますが、炎症がひどくなると、ケロイド状に盛り上がったり、へこんだりして、目立つ痕が残る恐れがあります。ニキビ痕をきれいに戻すのは難しいのです。できるだけ、症状が軽いうちに皮膚科を受診して治療を始めてください。
Q 予防は?
ヨ 洗顔料で1日2回、やさしく顔を洗い、余分な皮脂や汚れを落とすことです。バランスの良い食事を心がけましょう。チョコや甘い物はニキビが出来やすいともいわれますが俗説です。科学的には証明されていません。
(野村昌玄/取材協力=林伸和・虎の門病院皮膚科部長、角田美英・かくた皮膚科クリニック院長)
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