なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」
医療・健康・介護のコラム
娘に精子提供を告知 普段の会話でも自然と話題に
みなさん、こんにちは。なかさとみです。卵子提供について色々と書いています。今回は、日ごろ私がお世話になっている当事者ママのHさんから、精子提供で生まれたお子さんについてのお話を寄せていただきました。お子さんはまだ成人しておりませんので、Hさんを通して、お子さんの様子を書いていただきました。
精子提供を受けたママHさんの話
「夫が無精子症のため、夫婦で相談し、精子提供により2人の娘を授かりました。長女は6歳の頃に精子提供で生まれたことを私から伝え、現在8歳です。普段の会話の中でも自然に『私のこういう部分はドナーさんの遺伝かもね♪』なんて話題が娘から出たりしていて、我が家の中では、精子提供についての話題は普通の日常の一幕となっています」
「私たち夫婦は、精子提供のおかげで娘たちを授かれたことに非常に感謝しており、ドナーさんに対しては命の恩人のような気持ちを抱いているのですが、娘は、そういった私のドナーさんへの感謝や娘たちの出生への感謝の話をいつもうれしそうに聞いています。『ドナーさんに感謝しているんでしょ?』なんてニコニコ顔の娘から質問されたこともあります」
娘は自然に受け入れ 悩むとすれば世間の声
「そういった娘の様子を見ていると、精子提供で生まれた自分に対しても肯定的に捉えてくれていると感じて、私もうれしい思いでおります。今は精子提供を自然と受け入れ、それについては悩みなく過ごしている娘ですが、今後、娘が精子提供で生まれたことについて悩むことがあるとすれば、それは世間の声かもしれないなとも感じています」
「精子提供や卵子提供で生まれた子供たちに対して『かわいそうだ』という世間の声をたまに目にするからです。精子提供や卵子提供で生まれたというだけで、自分に対して『かわいそうな子』というレッテルを貼られるのは、非常につらいことではないでしょうか。『自分は、そんなにかわいそうだと世間から思われるような出生だったのか』とショックを受ける子どもも増えるかもしれません」
「確かに、精子提供で生まれて困難を抱えて生きている方もいらっしゃいます。でも特に現在は、自分が精子提供や卵子提供で生まれたことを幼い頃から知り、幸せに暮らしている子供たちもどんどん増えているのです。精子提供や卵子提供で生まれた子が皆、かわいそうな子ではありません。それは自然分娩でも同じことだと思います。自然分娩で生まれて幸せに暮らしている方も多い一方、中には家庭に問題を抱え、困難を抱えている方だっていらっしゃいます」
「ぜひ、『精子提供や卵子提供で生まれたからかわいそうである』と一律に決めつけるのではなく、幸せに暮らしている子供たちを知っていただき、様々な家族の形を認め合えるような社会になることを願っております」(以上、Hさんの話)
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