新・のぶさんのペイシェント・カフェ 鈴木信行
医療・健康・介護のコラム
「ケアプランは丸投げしないで」「介護を自分事として考えてほしい」
ここは、ある下町にあるという架空のカフェ。オーナーののぶさんのいれるコーヒーの香りに誘われ、今日もすてきなゲストが訪れて、話が弾んでいるようだ。(ゲストとの対話を、上下2回に分けてお届けします)
【今月のゲスト】
島村八重子(しまむら・やえこ)さん
1977年、東京女子大学卒。義父の在宅介護とみとりの経験から高齢者介護に関心を持つ。2000年から07年まで義母、15年から実母のケアプランの自己作成にかかわる。01年、自己作成に関心のある人たちに呼びかけて「全国マイケアプラン・ネットワーク」を設立。
・全国マイケアプラン・ネットワークウェブサイト http://www.mycareplan-net.com/
全国マイケアプラン・ネットワーク代表の島村八重子さん(下)
今日の私のカフェには、全国マイケアプラン・ネットワーク代表の島村八重子さんが来店して、私がドリップしたコーヒーを召し上がっている。前回、義父、義母の介護経験から、「自己選択、自己決定」を目指す大切さをお話しいただいた。
「ケアマネの資質向上」ファーストに違和感
さて、20年ほど前の話。
介護保険制度が導入され、しばらくすると、制度の円滑化の運用などを目的として、ケアマネの資質向上が求められるようになったが、八重子さんは疑問を持った。介護保険は本来、自分で選択するのが理念。ケアマネが一方的に提示したり、決めたりするものではない。
「ケアマネの資質向上よりも、まずは利用者自身が、自分の人生を語れる必要があるでしょ、と思うんです」
八重子さんの意見はメディアにも取り上げられ、共感してくれる方とつながる。インターネットで、メーリングリストを作ったところ、10人ぐらいの登録があった。
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