町田忍の昭和回想
回想サロン
10円を 握り入った 赤い屋根
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
電話ボックス
携帯電話に押され、数を減らしている電話ボックス。現在の全面ガラス張りタイプの前は、絵の「丹頂型」だった。昭和29年に登場し、クリーム色のボディーの上に、目立つようにと赤い屋根が載せてある。
絵は30年ほど前、群馬県沼田市の畑のそばで見かけたもの。中の電話は撤去されており、放棄された物なのだろう。その時点では、近くの農家に「農機具入れ」として活用されている様子だった。写真も同時期に、青森県八戸市の駐車場で見かけたものだ。こちらも駐車場職員の詰め所に改装されていた。
丹頂型が現れたのは、まだ電話のない家庭が多かった時代のことだった。それだけに町の中、畑のそば、全国津々浦々に設置されていたという印象がある。
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