文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

スポーツ選手に多い疲労骨折 反復練習などが負担に…安静にして回復待つ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 スポーツ選手に多い疲労骨折は、骨の同じ場所に繰り返し負荷がかかることで起きる障害です。そのまま運動を続けていると完全に骨が折れたり回復が遅れたりするため、早期に診断を受け、完治してから競技に復帰することが大切です。(佐々木栄)

16歳頃がピーク

 骨は、古い細胞を新しい細胞に置き換える新陳代謝で強度を保っています。スポーツの反復練習などで同じ動作を繰り返し、特定の部位に負荷がかかり続けると新陳代謝のサイクルが狂い、未熟な骨が形成されます。そこに亀裂が入ると疲労骨折となります。

 男女とも成長期の中高生に起きやすく、16歳頃がピークです。注意が必要なのは月経異常がある女性選手です。運動で体脂肪率が極端に低下すると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が抑えられ、最終的には月経が止まります。エストロゲンには骨を強くする働きがあり、無月経の選手は疲労骨折を起こしやすい傾向がみられます。

 発症の早期は患部を押したり体重をかけたりした時に痛みを感じる程度です。運動を続けると徐々に症状が悪化し、安静時も痛みが出るようになります。

 競技や種目によって発症する場所は様々です。最も多いのは、接地した時に圧力がかかる足の甲の 中足骨ちゅうそくこつ です。ランニングやジャンプの衝撃が原因で、陸上競技や球技など様々な種目で起きます。足首に近い 舟状しゅうじょう 骨は、陸上競技、体操、新体操で傷めやすいです。

 すねの内側の けい 骨、外側の 骨も頻度が高く、陸上競技やバレーボール、バスケットボールなどで目立ちます。腰のひねりや反りの動作で腰椎の後方に亀裂が入る「腰椎分離症」は、サッカーや野球などの選手に見られます。腕や 肋骨ろっこつ でも疲労骨折は起きます。

患部を安静に

 患部を安静にする保存療法で回復を待ちます。本格的な復帰には2~3か月かかります。痛みが出てから2~3週間の早期に診断を受けることが望ましいです。新しくできた亀裂はレントゲンに写りにくく、MRI(磁気共鳴画像)検査を受けると診断がつきやすいでしょう。

 患部を押さえても痛みがなく、画像検査で骨がくっついたことを確認してから、少しずつ運動をします。繰り返しの動作が過度にならないよう、トレーニング内容を調整することが大切です。子どもの場合、練習内容が個々の選手に合っているか、周囲の大人が見極めることも必要です。練習場所の地面の状態や、誤ったフォームでのプレーも原因となります。

 サッカーやラグビーの選手に目立つ小指の中足骨の疲労骨折(ジョーンズ骨折)の場合、トップ選手はスクリュー(ネジ)などで骨を固定する手術を選択することが多いです。

 骨量が増えるのは男女ともに20歳頃までです。成長期には、しっかり栄養を取るとともに筋肉をつけ、けがをしにくい体を作りましょう。兵庫県立西宮病院整形外科部長の正田悦朗さんは「気になる症状がある時は、スポーツ障害の治療経験が豊富な医療機関を受診することを勧めます。けがをきっかけに、体幹や筋力など体全体のバランス、練習内容などを見直しましょう」と話しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事