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「そうか、もう先生はいないんだ」クリニック患者に喪失感…柔らかい表情が頭を離れず

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 25人もの命が突然奪われた大阪・北新地の心療内科「西梅田こころとからだのクリニック」では、事件発生以来、犠牲者の 冥福めいふく を祈って献花に訪れる人が絶えない。特に多いのが、クリニックのスタッフらに再起を後押しされた患者たち。事件から1週間たった今も、喪失感にさいなまれている人もいる。

「そうか、もう先生はいないんだ」クリニック患者に喪失感…柔らかい表情が頭を離れず

花束に添えられたメッセージ(24日午前、大阪市北区で)=宇那木健一撮影

 「そうか、もう先生はいないんだ」。事件の4日前に受診した大阪市の男性(39)は、院長の西沢弘太郎さん(49)から「年末年始で休みが続くから27日は忘れずに来てね」と言われた。その時の柔らかい表情が頭を離れない。処方された薬が少なくなり、「また先生のところに行かなきゃ」とつい思ってしまう。そのたびに打ちひしがれる。

 数年前から通い、仕事の悩みを打ち明けると「みんな一緒だよ」と励ましてくれた。「頑張れ」とは言わず、いつもじっと目を見て話を聞いてくれた。思い出すと涙が止まらなくなり、事件の報道を見ながら、西沢さんとは面識がない妻も一緒に泣いた。

 事件の翌日に献花に訪れたが、喪失感や悔しさは今も変わらず、「もう1週間もたつのか」という思いだ。知人の紹介で新しい通院先は見つかったものの、「西沢先生ほど自分のことを分かってくれる先生にはもう出会えないのでは」と不安は募る。「犯人はなんてことをしてくれたのか。患者はみんな同じ気持ちだろう」と憤った。

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