楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
医療・健康・介護のコラム
健康体のときに医療保険を見直そう! トレンドは「先進医療」と「短い入院」に
アラフィフ世代は、人生という長いスパンで考えると、「健康体でいられる最後の時期」なのかもしれません。そこで、持病を抱えてしまう前に、一度、医療保険を見直ししてみようと思いつきました。持病があると、加入できる医療保険の選択肢は狭まるからです。

イラスト:平松昭子
医療保険に3つのトレンド
まずは、「今、医療保険はどんなものが売れ筋ですか?」と、リサーチをすることにしました。マネーライターという仕事柄、保険会社の方と雑談する機会はあります。複数の保険会社の方から聞いた結果は、ザッとこんな感じでした。
●近年の医療保険のトレンドイメージ
- 1)手術の保障がある
- 2)1入院の支払限度日数を減らして、保険料を抑える
- 3)先進医療特約をつける
(筆者作成)
少し補足説明しましょう。1)の「手術の保障」は、医療保険の基本なので必須でしょう。2)の「1入院の支払限度日数を減らす」というのは、保険料を抑える工夫の一つです。下図は、厚生労働省の患者調査の抜粋ですが、年々、平均入院日数は短くなっています。そうであるなら、「1入院の支払限度日数をコンパクトにして、保険料を抑えたプランも選択肢の一つとして用意しよう」と、保険会社は考えるわけです。
●平均入院日数は年々短くなっている
(厚生労働省「平成29年患者調査の概況」より抜粋)
また、3)「先進医療特約」とは、がん治療の選択肢である「陽子線治療」や「重粒子線治療」の保障として入る人が多い印象です。 過去のコラム にも書きましたが、陽子線治療は、高い精度でがん細胞を狙い撃ちできるので、正常な細胞に与えるダメージが少なく、体に優しい治療と言われています。厚生労働省が認めた「先進医療」ですが、先進医療にかかる費用は全額自己負担です。私が取材した施設では、陽子線治療の費用は約300万円で、その全額が本人負担となります。この高額な医療費のリスクヘッジの方法として、月100円程度の保険料で付保できる「先進医療」の特約をつけておく人が増えているのです。
「1入院の支払限度日数」の設定は、調べた限りでは「30日限度」が最も短いようでした(2022年1月現在)。その条件の商品を販売している会社を調べ、「手術」と「入院」の保障、そして「先進医療特約」をつけて保険料を試算してもらいました。
●1入院の支払限度日数が30日の医療保険と保険料目安(月額)
メディケア生命 『新メディフィット A 』 | 保険料:1580円 これまでの医療保険と比べ、保険料が手頃なので人気がある |
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三井住友海上あいおい生命 『新医療保険 A プレミア』 | 保険料:2143円 入院や手術などの保障に、ニーズに合わせた保障をプラスできる |
(筆者作成)
52歳女性で試算。保険料払込期間:終身・月払い・日額:5000円・給付限度の型:30日型・先進医療特約付加
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