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山中龍宏「子どもを守る」

妊娠・育児・性の悩み

赤ちゃんで目立つ「大人が熱い飲み物をこぼす」…低い温度でも深いやけどに

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 やけどは、時には重症となる事故の一つです。治療期間が長く、治っても傷跡が残ることがあります。これまで「子どもの3人に1人は何らかのやけどを体験していて、そのうちの1割の子どもが医療機関を受診する。受診した子どものうち、1割は入院し、入院した子どもの1割は重症で、その1割は死亡する」と言われています。死亡統計では、毎年、1~4歳の年齢層で3~4人が「煙、火及び火炎への 曝露(ばくろ) 」のために亡くなっています。

赤ちゃんで目立つ「大人が熱い飲み物をこぼす」…低い温度でも深いやけどに

イラスト:高橋まや

子どもの家庭内のやけど 50%は台所で起こっている

 子どもの皮膚は大人の皮膚に比べて薄いため、より低い温度で、より早くより深いやけどになりやすいのです。子どものやけどの80%は家庭内で起こり、そのうち50%は台所で起こっています。やけどは行動範囲が広がる1歳児に最も多くみられ、その原因として多いものは、熱湯や汁ものなど高温の液体、続いてアイロン、ストーブなどの熱源への接触となっています。

 生まれて6か月までの赤ちゃんは、抱いていた大人が熱い飲み物をこぼしたり、熱いミルクを飲ませてしまったりすることにより、やけどをしています。7か月を過ぎると、前に置かれた容器を手でひっくり返したり、背伸びをしてテーブルの上の物に手を伸ばし、頭から熱湯をかぶったりします。

 1~2歳では、ストーブやアイロンに触れたり、テーブルの上のみそ汁、コーヒー、カップ麺をひっくり返したり、床に置かれた炊飯器の蒸気に触れたり、ポットを誤って押して足に熱湯をかけたりなど、家の中の熱源はすべてやけどの原因となります。4歳を過ぎると花火によるやけどが多くなります。

 その他、バーベキューの鉄板に手をつく、止まったばかりのオートバイのマフラーに接触して足にやけど、表層が熱い浴槽に転落、熱いシャワーを浴びる、電気コードのソケットを口にくわえて口唇に電撃やけど、さらに火災によるやけどもあります。

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山中 龍宏(やまなか・たつひろ)

 小児科医歴45年。1985年9月、プールの排水口に吸い込まれた中学2年女児を看取みとったことから事故予防に取り組み始めた。現在、緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。NPO法人Safe Kids Japan理事長。産業技術総合研究所人工知能研究センター外来研究員、キッズデザイン賞副審査委員長、内閣府教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員も務める。

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