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介護のキホン

医療・健康・介護のコラム

特養ホームの食費・部屋代は「1割負担対象外」…公的な補助は?

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特養利用時の食費、部屋代…1割負担対象外 「補足給付」で補助

 介護保険サービス利用時の自己負担は原則、利用額の1割です。ただ、特別養護老人ホーム(特養)など介護保険施設で暮らす際の「食費」や「部屋代」は、1割負担の対象外。自宅で訪問介護を利用して暮らす人が食費や家賃を負担するのと同様に、別に支払う必要があります。

 いくらくらいかかるのか、「ユニット型個室」の特養の場合で見ていきましょう。

 国が示す平均的な金額は、食費が1日1445円、部屋代は同2006円。1か月を30日とすると、月額は食費が約4万3000円、部屋代が約6万円です。実際の金額は施設によって変わりますが、計10万円超のイメージです。

 ただ、収入は年金のみで余裕がないという高齢者も少なくありません。そこで、「補足給付」という食費・部屋代の公的な補助があります。世帯全員が住民税非課税で、施設を利用する人の収入と資産が基準を満たせば、負担額の上限が決まる仕組みです。

 ユニット型個室の特養の場合、上限額は表のようになります。例えば、一人暮らしで、収入は年90万円の年金のみ、預貯金が計400万円だと、表の上から2番目となり、食費は月1万9500円、部屋代は月3万9300円(30日の月の場合)です。合計で月6万円以内に収まります。

 仮に、この人の年金額が年130万円だと、表の3番目に当てはまります。部屋代は月3万9300円で変わりませんが、食費の負担は先ほどのケースと比べて約2万円多く、月4万800円です。合計は月8万円ほどです。

 この「年収120万円超」の区分は、今年8月の見直しで新たに作られ、一部の人は食費の負担が増えました。介護費が増え続けていることもあり、「負担が可能な人には、できるだけ負担してほしい」というのが国の立場です。

 ただ、介護施設なども加盟している全日本民主医療機関連合会の林泰則事務局次長は「見直しによって、施設を退所するなど本来受けたいサービスを受けられなくなった人もいる」と利用者への影響の広がりを懸念しています。

 今回の見直しでは、資産の基準も厳しくなりました。

 7月以前は、預貯金などの資産が単身で1000万円以下、夫婦は2000万円以下なら補助の対象でしたが、8月以降は表のように基準額が変わっています。単身で収入が年80万円以下のケースは、650万円を超える資産があると、食費や部屋代の軽減を受けられなくなりました。

 例えば、単身で、収入が年80万円、預貯金が計700万円の人は、7月以前は食費と部屋代を合わせて負担は月3万6000円ほどでした。8月以降は、合計で10万円ほどの食費・部屋代の全額を負担することになりました。

 厚生労働省によると、今回の見直しで影響を受けた人は約27万人。生活が厳しくなった場合、社会福祉法人が行っている負担軽減制度を利用できるケースもあり、同省は社会福祉法人や自治体の窓口への相談を呼びかけています。

 補足給付は市区町村の窓口で申請手続きが必要です。表の「年金収入など」には、公的年金額のほか、仕事をして得た所得や不動産所得なども入ります。「資産」には現金や預貯金のほか、株式や国債、投資信託などが含まれます。申請時に通帳の写しなどを添付する必要があります。

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 本人や家族が介護に直面する日はいつ訪れるかわかりません。連載「介護のキホン」では、サービス利用に役立つ知識を紹介していきます。すでに利用中の人も内容の見直しなどに活用してください。

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