アレルギー性鼻炎 完治せず
26歳の孫娘はアレルギー性鼻炎です。子どもの頃から鼻水や鼻づまりに悩まされています。耳鼻科を受診して一時的に良くなってもなかなか完治せず、最近は、時々市販薬を服用しています。よい治療法はないですか。(85歳女性)
抗原となる物質を知る必要
大久保 公裕 日本医科大学耳鼻咽喉科教授(東京都文京区)
アレルギー性鼻炎は、すぐ完治する病気ではありません。
花粉などアレルギーの原因となる物質(抗原)が体内に入ると、異物と認識して排除しようと抗体を作ります。この働きが過剰に反応するのがアレルギーです。
お孫さんが何にアレルギー反応を起こしているのか、抗原となる物質を知ることが必要です。症状が通年性なら、ダニ、カビ(真菌)、ペットなど。花粉ならスギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサなどが考えられます。抗原がわかれば症状が出る時期も推測でき、悪化する前に治療を始められます。
薬剤治療は対症療法です。最もひどい症状が鼻づまりなら、手術なども効果的です。鼻汁が多い場合、「後鼻神経切断術」という神経反射を抑制する手術があります。多くは内視鏡を使うので安全です。ただこれもアレルギー反応の解消にはなりません。
根治的な治療を求めるなら、微量のアレルギー物質を体内に取り込んで慣らし、反応を抑える「アレルゲン免疫療法」という治療法しかありません。アレルギー物質を皮下注射するものや、舌下に含んで行う「舌下免疫療法」があります。舌下免疫療法は、医師の指導のもとで家庭でもできるので、通院は皮下注射より少ない回数ですみます。
様々な治療方法をうまく組み合わせましょう。