Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」
医療・健康・介護のコラム
暖房が利いた部屋で、昼間の「ひと眠り」が心地いい季節ですが、ちょっと工夫をすることで…
こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に、科学的見地からビシバシお答えします。
寒さがますます厳しくなってきましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。暖房が利いている部屋にいると、ついウトウトしてしまうこともありますね。ということで、今回のテーマは「昼寝」です。これまで本連載でも何度も登場した昼寝ですが、その取り方にはコツがあり、長すぎても遅すぎても逆効果になります。
理にかなっている「シエスタ」の習慣
書籍や雑誌などで睡眠特集が組まれると、必ずと言ってよいほど「昼寝」が取り上げられます。そこには「昼寝のコツ」「パワーナップ(ナップ=napは英語で昼寝やうたた寝のこと)」「長すぎる昼寝はダメ」などのノウハウが書かれています。私自身もこれまで昼寝について、さまざまな媒体で紹介してきました。まずは、そのおさらいから始めましょう。
そもそも昼寝はある意味、体にとって生理的な(理にかなった)現象です。人の脳の覚醒度(目覚め度、眠りにくさ)を特殊な方法で測定すると、朝、目覚めてから脳はどんどん覚醒度が上昇し、普段、寝ついている時刻の2、3時間ほど前(平均すると午後9時頃)にもっとも高くなることが知られています。その後、急速に覚醒度は低下し、明け方4、5時頃に眠気は最強になります。もちろん普段の生活では、私たちは眠っている時間帯です。
不思議なことに、明け方4、5時頃と表裏に当たる時間帯、つまり午後4時頃、昼間にもかかわらず覚醒度が一過的に低下し、これがいわゆる昼寝タイムに相当します。シエスタの習慣がある国では、人々は昼食後から夕方前にかけて昼寝と休憩を取りますが、それは理にかなっているわけです。
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