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【独自】アビガン不適切な処方、自宅療養90人に…千葉の公立病院が厚労省通知に違反

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 千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で新型コロナウイルス対策のアドバイザーを務めた男性医師(72)が今年8~9月、厚生労働省の通知に違反し、内服薬の抗ウイルス剤「アビガン」を、コロナの自宅療養者約90人に処方していたことがわかった。

 厚労省は11月25日、「厳重な管理が必要な薬で、遺憾だ」として医療センターに処方状況を報告するよう指導した。これまで重大な健康被害の報告はない。

 アビガンはコロナ治療薬として承認されていないが、国内では臨床研究の形で1万5000人以上に投与されている。ただ、動物実験で胎児に催奇形性が確認されたため、厚労省は「自宅療養での投薬はできない」と事務連絡の形で通知していた。

 不適切な処方を巡っては、医師といすみ市の太田洋市長が9月、自宅療養者の重症化を防ぐ手段の一つとして、薬剤名を伏せた形で「処方した結果、患者は全員回復した」と発表していた。

 関係者によると、医師は長年、県の地域医療に携わり、昨年にアドバイザーを委嘱された。医療 逼迫ひっぱく に備え、アビガンの使用を計画。8月に厚労省に臨床研究への参加を申請し、アビガンを調達した。車で来院する患者に車窓越しに薬剤を渡し、自宅などで服用させた。

 医師は今月5日、読売新聞の電話取材に対し、11月末でアドバイザー職をやめたことを明らかにし、アビガンについては「お話しできない」と答えた。

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 コロナ治療でアビガンの使用経験がある愛知医科大病院の後藤礼司医師は「コロナの患者を診ない医師も多いなか、積極的に診療したのは評価できる。だが個人の思いや感情で薬剤を使用するのではなく、説明責任を果たせる方法で進めるべきだった」と指摘した。

 アビガンは備蓄用の新型インフルエンザ薬として承認されており、コロナ治療薬としての承認取得に向けて治験が行われている。

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