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まれに起こる心筋炎と心膜炎は「重大な副反応」…異物混入ワクチン接種後死亡は「評価できない」
厚生労働省は3日、米ファイザー製と米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの接種後にまれに起こる心筋炎と心膜炎について、「重大な副反応」として添付文書に記載することを決めた。この日、開かれた同省の専門家検討会で了承された。

米モデルナ製のワクチン
同省によると、ワクチン接種後の心筋炎と心膜炎は、特に10、20歳代の男性に起きやすかった。ファイザー製では接種した同年代男性100万人あたり11・9~16・4人、モデルナ製では38・9~87・6人だった。
ただし、コロナ感染そのもので起こる心筋炎などの発症頻度は、同年代男性の感染者100万人あたり893人と10倍以上だ。このため、検討会は「接種のメリットの方が大きいことは変わらない」と結論付けた。
また、検討会では、モデルナ製のワクチンに異物が混入した問題に関する報告もあった。自主回収対象のワクチンを接種した後に死亡が報告された2例について新たに審議し、現時点で「接種との因果関係は評価できない」との見方を示した。
8月13日に死亡した52歳男性は、異物が混入していた製造番号のワクチンを同月3日に接種していた。糖尿病などの基礎疾患があり、肥大型心筋症が死因とみられた。
もう一例は、異物が混入した製品と同時期に同じ工場で作られた別の製造番号のワクチンを8月21日に接種し、10月末に死亡した52歳の女性で、基礎疾患の有無や死因は不明だった。
自主回収対象ワクチン接種後の死亡例は計5件となったが、いずれも「接種との因果関係は評価できない」とされた。
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