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幹細胞から受精卵に近い細胞を作製、不妊症研究などに活用期待…着床のような現象も

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 様々な細胞に変化できる人間の幹細胞を使って、胎児になる前の受精卵(胚盤胞)に近い細胞を作ることに成功したと、オーストリア科学アカデミー分子生物工学研究所の香川晴信研究員(分子生物学)らの研究チームが発表した。

 不妊症の研究などに活用が期待される一方、人工的に人間を作る研究に近づくなど倫理的な課題もある。論文が2日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。

 チームは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)の培養方法を工夫し、どちらの細胞からも、受精から5~7日後の胚盤胞と構造がよく似た細胞の塊を作製した。遺伝子の働きなどを調べると、胎児や胎盤の元になる細胞の特徴があった。

 子宮の細胞と一緒に培養すると、着床のような現象も見られたという。作製した細胞の塊は13日以内に廃棄しており、人の子宮には入れていない。

 米豪などのチームが今年3月に同様の細胞を作ったとネイチャーで発表したが、今回はより受精卵に性質が近いとみられている。

 有馬隆博・東北大教授(分子生物学)の話「受精卵を研究に使うのは倫理的にハードルが高いため、代わりになる細胞を作製できた意義は大きい。一方、こうした細胞をどこまで育てるのが許されるかなど、倫理面を議論すべき段階にきている」

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