町田忍の昭和回想
回想サロン
窓辺にも 職人の技 光ってる
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
戸袋
戦前の裕福な家庭や商家では、2階の雨戸を収納する戸袋をしっくいや彫刻、銅板細工などで飾るのがはやっていた。施主のセンスと職人の腕の見せ所で、一点物の豪華な装飾を競い合った。
イラストは30年以上昔、墨田区のあたりで見かけた民家だ。銅板にコイを打ち出し、目にはガラス玉をはめ込んでいる。
生まれ育った我が家の戸袋は、シンプルなものだった。子供の頃、自分もいつかすごい飾りのある家を建てるぞ、と思った。
しかし、職人はどんどん減っていった。今、ああいった細工を注文したら、とんでもない値段になるだろう。
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