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文在寅政権の「ウィズコロナ」路線が窮地…「ブレイクスルー感染」多発で医療体制は綱渡り

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 【ソウル=上杉洋司】韓国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したことで、感染予防と経済活動再開の両立を目指して 文在寅ムンジェイン 政権が始めた「ウィズコロナ」路線が壁に直面している。ワクチン接種者が感染する「ブレイクスルー感染」が増えているためで、医療体制は綱渡りの状況が続く。

  金富謙キムブギョム 首相は24日の会議で、新型コロナの感染状況について「予想より深刻だ」と述べ、政府の見通しが甘かったことを認めた。

 今月1日にコロナ関連の規制を緩和した当初、韓国政府は「1日あたりの感染者は5000人になる可能性がある」と予防線を張るなど、感染増加は織り込み済みだった。想定外だったのは、ワクチン接種の完了者が感染するブレイクスルー感染が多発したことだ。

 この形態での感染は、ソウルでは新規感染者の半分以上を占めており、特に高齢者で目立つ。金首相によると、過去2週間で感染が確認された60歳代のうち、8割がワクチン接種を終えていた。

 保健当局のまとめでは、4~5月は数人ずつにすぎなかったブレイクスルー感染は、10月には1万6095人に急増した。今月は7日までの集計で6565人となった。金首相は「予想より免疫効果が早く落ちているようだ」と危機感をあらわにした。

 韓国政府は接種完了から6か月後としていた3度目の追加接種時期について、60歳代以上は4か月、50歳代は5か月後に前倒しすることを決定した。

 金首相は、「首都圏ではすぐにでも『非常計画』の発動を検討しなければならない状況だ」と述べた。今月1日に緩和された感染予防対策を再検討する計画で、飲食店の営業時間や利用人数の規制緩和、小中学校・高校の全面登校などが今後見直される可能性がある。

 感染者の増加に対応するため、コロナ向け病床の確保が急務となっている。ソウル市内の市立病院の駐車場には、コンテナを利用した簡易病室が設置され、受け入れの準備が進んでいる。病院の担当者によると約40人の入院を受け入れることができるといい、「これまで一度も利用したことがないが、今後は必要になってくるだろう」と話した。

 文大統領は21日に出演したテレビ番組で、「K防疫」と称する韓国政府の感染対策について「国家のステータスを高めた」と成果を自賛した。感染状況の悪化は、来年3月に行われる大統領選に向けて、与党への打撃になる可能性もある。

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