町田忍の昭和回想
医療・健康・介護のコラム
花街の 粋を運んだ 車屋さん
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
人力車
昭和に入ると姿を消し始めた人力車だが、一部で使われ続けていたようだ。昭和50年頃、銀座から新橋にかけてのあたりを歩いていたら、イラストの1人乗り人力車に出くわした。
「まだ、あったのか!」と驚いてあとをつけると、築地で止まった。人力車が数台ならんでいる、たまり場のような場所だ。新橋あたりの料亭へ芸者さんを送迎するのに使われるらしく、座席の周りに囲いをつけて、中を見えなくしてある。
とはいえ、その後まもなくして花街の利用も途絶えたようだったが、20年ほど前から再び、街で見かけるようになった。
今度は観光用の2人乗り。写真のものだ。料金は決して安くはないが、乗ってみると視点が高く、いつもとは違う街の眺めが楽しめた。
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