楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
「人生100年時代」と言われるようになりました。この長い後半生、「今まで通り」のやり方では乗り切れないかもしれません。やがて来る「シニアライフ」を実りあるものにするためには、今、どんな備えをしておけばいいのか? お金のこと、そしてお金以外のこと……マネーライターの楢戸ひかるさんと一緒に考えていきましょう。
介護・シニア
イデコに加入している主婦の7割が40~50代 老後の安心のために始めていた!
前回の「 イデコとパスモ、どう違うの? 」という友人の発言を聞いて、「イデコ(iDeCo=個人型確定拠出年金の愛称)の認知度は、まだまだ低いなぁ~」と思いました。
そこで、厚生労働省に取材に行くことにしました。「国として、主婦にイデコの情報を届けることについて、どうお考えですか?」と、質問をしたかったからです。
加入している主婦の7割が40~50代
対応してくださったのは、厚労省年金局企業年金・個人年金課長の小野俊樹さんです。今回の取材のために小野さんが作成してくれた資料の中に、興味深いものがありました。それが下のグラフです。イデコに加入している人の中で、主婦である可能性が高い国民年金の「第3号被保険者」のうち、40代が38.0%、50代が35.1%(2021年9月末時点)。つまり、イデコに加入している主婦の約7割が、40~50代なのです。
私個人は、極度のパソコン音痴なので、「イデコ加入の画面操作が難しそう」という段階で転んでおり、加入には至っていません。40~50代は私と同世代。「きっと、私と似たような状況なはず……」と思っていたので、にわかに焦り始めました。
海外では「年金は世帯ではなく個人のもの」
そんな私に追い打ちをかけたのは、イデコの加入者数の伸び方です。2017年1月、イデコに加入できる対象者が拡大され、主婦なども対象になりました。そこから毎年、どんどん伸びています。現在も月3万~4万人のペースで加入者が増えているそうです。
小野さんお話の中では、「イデコの対象者に主婦を含むかどうかの議論」が印象に残りました。 曰 く、「最初は会社員として働いていた人が、出産などのライフイベントをきっかけに第3号被保険者になることもある。退職や転職によって途切れてしまうことがなく、主婦の方でも、“自分の年金”として続けていけるような私的年金制度が必要だ」と。
日本では、年金が世帯ベースで語られがちです。けれども、欧米は、「年金はその人、個人のもの」という意識が高いと聞きます。日本も、高齢化やライフスタイルの多様化で、これからは、「個人で自分の年金を作る」という意識が高まっていきそうです。
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