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教えて!ヨミドック

医療・健康・介護のニュース・解説

湯たんぽ、電気毛布でも起きる「低温やけど」 気づかぬうちに深く損傷…防ぐには?

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教えて!ヨミドック-211016

   もうじき冬ね。湯たんぽを出さないと。

  ヨミドック  温まりますよね。でも、低温やけどに気をつけてください。

   湯たんぽでやけど?

   少し温かい程度でも長時間接触していると、皮膚の組織は損傷します。45度でも1時間以上触れ続けると良くありません。50度なら数分です。高齢者は気づかないうちに、皮膚の深い所までやけどをすることがあります。

   どういうこと?

   痛みや熱さを感じる神経(痛覚の受容器)は、年齢とともに減ります。70歳代は20歳代の半分程度とする研究があります。この神経は、表皮と、その下の真皮の浅い所、つまり皮膚の表面近くにしかありません。熱湯や火に直接触れる高温やけどならすぐわかりますが、低温やけどは気づきにくいのです。

   怖いわ。

   低温やけどをするのは、ほとんどが下半身です。痛みや熱さの神経が下半身には少ないので、下半身を温める湯たんぽ、電気あんか、電気毛布で起きています。

低温やけどを防ぐには?…就寝中、暖房器具は外す

 血流が多いと熱は拡散されますが、下半身は血流が滞りがち。圧迫されて血流が滞る所にも発生しやすい。暖房機能付き便座によるやけどが報告されています。

   血行も関係するのね。

   糖尿病の人は気をつけてください。血流が悪く、皮膚感覚が鈍くなるのも糖尿病の症状。やけどをすると、傷が治りにくく感染を起こしがちです。若い女性で「冷え性」の人も。血行が悪く、暖を取る機会が多いからです。

   低温やけどになったらどうしよう?

   真皮まで達する2度のやけどは水ぶくれができます。小さく見えるやけどでも、深く損傷していることが多いので、水ぶくれは破らずに、必ず受診しましょう。痛くないからと放っておくと、損傷が広がったり、感染したりすることもあります。

   予防は?

   湯たんぽはタオルなどを巻いて使いましょう。就寝中に起きることが多いので、事前にふとんを温め、暖房器具は寝る前にはずしたり、スイッチを切ったりしましょう。室内全体を暖めるようにすると、足を温める器具は不要になります。寒暖差から血圧が乱高下する、高齢者のヒートショックも防げます。

 (小屋敷晶子/取材協力=高橋龍太郎・多摩平の森の病院前院長、桜井裕之・東京女子医大形成外科教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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