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料理家 栗原友さん

一病息災

[料理家 栗原友さん]乳がん(3)「ママのおっぱいに悪者がいるんだ」と4歳の娘に

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 一人娘の朝さん(7)の名前は夫が考えた。生まれた日、築地の朝の空がとても美しかったからだという。

 乳がんと診断された後、当時4歳の幼い娘に、病気のことをどう伝えるべきか悩んだ。病院の臨床心理士に相談すると、「隠さない方がいい。がんを悪者に例えて話してみてはどうか」とアドバイスされた。

 自宅のベッドの上で話しかけた。「ママのおっぱいに悪者がいるんだ。病院で退治してもらって、元気になって帰ってくるから、ちょっとだけ待てるかな」。驚いた朝さんは「かわいそう。ママ死んじゃうの」と泣いた。「死なないために行くんだ。応援してくれる?」と聞くと、「うん」と答えてくれた。

 手術で入院している間は、友人が面倒を見てくれた。その後の夏休みは、遊園地などに出かけ、親子でめいっぱい遊んだ。

 抗がん剤治療中は副作用でむくんだ足を、娘の小さな手がさすってくれた。

 自分が診断された「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」は、50%の確率で親から子に遺伝子変異が受け継がれる。医師には「世の中には、あなたや娘さんのことを偏見の目でみる人もいるかもしれません」と説明された。

 朝さんには、既に病気が遺伝性のものだと教えている。「朝もママと同じ病気になるかもしれない。でも、大丈夫。全部準備してあるからね」。病気や治療に関する資料はすべて残している。

料理家 (くり)(はら)(とも) さん(46)

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