産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
医療・健康・介護のコラム
「ホウレンソウ(報連相)」をうまく回すために上司が知っておくべき5か条とは?…時に部下のメンタル不調の発見にもつながる
仕事の「ホウレンソウ」をご存じでしょうか? もちろん野菜ではないですよ。上司などへの仕事の進行状況の報告・連絡・相談の最初の文字を取ったもので、上司から繰り返し言われている職場もあるでしょう。仕事はチームで達成するものですから、上司と部下の円滑なコミュニケーションは重要とされています。ホウレンソウが滞る状態が続いたら、上司は部下に声をかけ、別室などで時間をかけ面談をしながら、事情を聞いてほしいと思います。「落ちこみ、仕事に集中できない」などの状態が続いているようなら、「過剰ストレス状態」や「心身の不調」が隠れているかもしれません。そんな時は、産業医や産業看護職などにつなぎましょう。
精神論を言う上司になじめず、報告がおろそかに
入社9年目、メーカー営業職の志水次郎さん(仮名)はまじめで内気です。それなりに実績をあげてきましたが、新しく上司になった八島課長(同)になじめず、仕事の報告がおろそかになっていました。前任の課長は彼の報告をじっくり聞いて、仕事ぶりも評価し、必要に応じ実行しやすい方法をアドバイスしてくれました。その助言で成果が上がりました。
八島課長は彼の話を聞いてくれず、商談がうまくいかないと、「営業は根性だ。たるんでいるぞ」「同期の中野は4件も取ってきた。負けるな!」「朝から気合を入れて得意先をまわれ。売り上げがないなら帰ってくるな!」と課内で一方的に号令をかけています。話すというよりどなっているように感じます。
志水さんは叱られているような感じがして、どうしても気おくれしてしまいます。ホウレンソウをしなければと思っても、震えが来てしまい、できなくなったのです。
1週間前、課長は彼の席にやって来て、「この前の件はどうなった。ちゃんと報告しろ」と命令していきました。おじけづいて、課長の席に行けません。
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