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【独自】国際研究への科研費、来年度から従来の10倍に…コロナ後見据え1件最大5億円へ

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 文部科学省は来年度から、国際共同研究を対象とする科学研究費助成事業(科研費)について、従来の10倍となる1件あたり最大5億円に拡充する方針を固めた。新型コロナウイルスの収束後を見据え、日本の研究者が世界トップレベルの共同研究に参加するのを後押しする。若手研究者の参画を条件とし、人材育成にもつなげる。

 最先端の国際共同研究を強力に推進するため、7年間にわたって最大5億円助成する支援メニュー「国際先導研究」を新設する。年度を越えて研究費が使用できる海外の研究者と渡り合うため、大規模で長期間の研究費を確保したのが特徴で、最長で10年間まで延長できる。

 助成対象は、高い研究実績と国際的なネットワークを持つ研究者が率いる日本のチーム(20~40人程度)。海外の研究者と共同研究をすることが前提となる。世界と戦える若手研究者を育成するため、チームの8割程度を博士研究員(ポスドク)や博士課程学生らが占めることを要件とし、年間15件程度を想定する。関連予算は、政府が年内の成立を目指す今年度補正予算案に計上する。

 文科省によると、コロナ禍によって研究者の海外派遣は停滞していたが、ワクチン接種を条件に研究者の国際交流が徐々に再開しつつある。同省は、若手を2~3年の長期にわたって派遣できるよう科研費による支援を充実させ、国際的な地位低下が指摘されている日本の存在感を高める必要があると判断した。

 科研費のメニューには、少数の研究者による先駆的な研究を対象とする「基盤研究」、博士の学位取得8年未満の研究者が対象の「若手研究」などがある。国際共同研究に対する支援メニューでは、海外の日本人研究者が帰国後に研究を行う際に助成する「帰国発展研究」(最大5000万円)などがあるが、「国際先導研究」の新設で、助成額は10倍に拡充される。

 一方、研究者に対しては科研費の助成申請にあたり、外国を含む全ての資金の提供元などについて申告することを義務づける。資金源の透明性を高め、先端技術の海外流出を防ぐ狙いからだ。外国資金を受け入れていても科研費は受けられるが、事実と異なる申告をすれば、不採択や採択取り消しなどの対象になる。

  ◆科研費 =基礎・応用を問わず、自然科学から人文・社会科学まで全ての分野の研究を助成する文部科学省の研究費。研究者が応募し、日本学術振興会の審査を経て助成を決める。今年度の予算額は2377億円。昨年度は10万4000件の新規応募があり、約28%が採択された。

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