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日大は被害届提出「保留」…職員「事業部に異を唱えるのは理事長に刃向かうのと同じ」

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 日本大学を巡る一連の事件では、元理事の井ノ口忠男被告(64)が自身の要求を通すために、田中英寿理事長(74)の「威光」を利用していた実態も浮かび上がった。

 関係者によると、日大は2017年4月から、板橋病院などで使う医薬品や、医療器具、画像診断機といった医療機器の調達業務を日大事業部に集約したが、田中理事長の「最側近」と目されていた井ノ口被告に事実上、一任された状態だったという。

 板橋病院の医療機器の納入を巡っても、予算化されていないことなどを理由に反対した病院関係者に対し、井ノ口被告は田中理事長の名前を出した上で、「理事長からOKもらっている」「理事長が『やれ』ということだ」などとはねつけた。日大職員は「事業部の決定に異を唱えるのは理事長に刃向かうのと同じ。本来、高額契約の可否を判断する大学の理事会は形骸化していた」と明かす。

 井ノ口被告は特捜部の調べに、籔本被告から謝礼を受け取ったことなどを認めた一方、日大に損害を与えた認識はないとして、いずれの起訴事実も否認しているという。背任の「被害者」に位置づけられている日大も6日、ホームページで「損害を被ったという事実関係が不明であり、被害届の提出は保留する」と発表した。公判では、井ノ口被告が日大のために行うべき職務に背き、財産上の損害を与えたと検察側が立証できるかどうかが焦点になりそうだ。

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