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料理家 栗原友さん

一病息災

[料理家 栗原友さん]乳がん(2)もう一方の乳房にも発症リスク 予防的に両胸切除へ…母・はるみさんの涙

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 遺伝子検査の結果、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」とわかった。発症していない側の乳房や卵巣もがんになるリスクがある。予防的に両胸一緒に切除するか、もう片方は経過観察するか、決断が必要だった。

 この時、一人娘は4歳。「授乳期間は終わっていたし、両胸切除に抵抗はなかった」。即決した。

 むしろ悩んだのは、治療方針ではなく、両親にどう伝えるかだった。父で元キャスターの栗原玲児さんは当時、末期の肺がんで自宅療養中。母で料理家のはるみさんが看病しており、「これ以上心配をかけたくなかった」。

 まず、はるみさんの留守中に玲児さんに「乳がんの手術を受ける。でも大丈夫」と伝えた。「本当に大丈夫なんだな?」と聞かれ、うなずくと、「よかった」と受け止めてくれた。

 はるみさんに話したのは家族の中で一番最後。「泣かれるとつらいから、ぎりぎりまで言えなかった」。弟で同じく料理家の心平さんも誘い、3人で焼き肉を食べに行った。食事が終わる頃、乳がんになったことや治療の予定を伝えた。泣く暇を与えないように早口で話し、「本当に大丈夫だから安心してね」と付け加えたが、やはりはるみさんは涙を見せた。

 2019年7月、手術で両胸を切除。採取した組織を検査したところ、右胸からも早期がんが見つかった。他の部位への転移の可能性も考え、9月から抗がん剤治療を受けた。

料理家 (くり)(はら)(とも) さん(46)

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