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こども園に刃物男、職員7人はその時…アイコンタクトで園庭の71人を屋内誘導し幼い命守る

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 宮城県登米市で9日、認定こども園に刃物を持った男が侵入し、建造物侵入容疑で現行犯逮捕される事件があった。「子供を殺して死刑になりたかった」と供述している男から、子供たちを守ったのは職員7人の連携だった。不審な男に気付くと、アイコンタクトで連絡を取り合い、園庭にいた子供71人を建物へ避難させた。その後、男を取り押さえ110番した。

こども園に刃物男、職員7人はその時…アイコンタクトで園庭の71人を屋内誘導し幼い命守る

事件があった豊里こども園。男は柵を乗り越え、職員に取り押さえられた(10日、宮城県登米市で)

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 県警の発表によると、逮捕されたのは、同市豊里町迫、無職大槻渉容疑者(31)。9日午前10時40分頃、同市の「豊里こども園」の園庭に柵(高さ約1メートル)を乗り越え侵入した疑い。刃渡り約12センチの包丁を持っており、同容疑と銃刀法違反容疑で仙台地検に送検された。調べに対し「子供なら簡単に殺せると思った。最低でも2人殺して死刑になりたかった」と供述している。

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 園庭では直前まで、登園していた子供204人のうち71人が遊んでいた。見守りの職員7人のうちの1人が園庭に隣接する駐車場付近をうろつく大槻容疑者に気付き、別の職員に「変な人がいる」と耳打ちし、職員同士がアイコンタクトで園児を避難させた。「雨が降りそうだから中に入ろうね」と、5分ほどで全員を園舎に誘導、窓を施錠し、外が見えないようカーテンを閉めた。

 直後に他の職員が大槻容疑者に「どうされましたか」と声をかけた。大槻容疑者は無言で、柵をよじ登ると職員に押さえられ、バランスを崩して園庭に転げ落ちた。その際に隠し持っていた包丁を落とし、拾って振り上げたが、男性職員4人に取り押さえられた。職員にけがはなかった。

 男性職員の一人は「子供たちを避難させたタイミングで『入ってきた』と声が聞こえた。刃物が見えて怖かったが、子供たちに危害が及んではいけないと思い、立ち向かうことができた」と振り返る。

 同園は10月に不審者対応の机上訓練を行ったばかりで、上野律子園長(59)は「訓練で共有していた高い防犯意識で素早く対応できた」とする。ただ、刃物を持った男に職員は素手で立ち向かっており「今後は職員も含めて建物内への避難を徹底し、さすまたの導入も検討したい」と話した。

 保護者からは称賛の声が上がっている。孫(2)を預けている女性(64)は「勇気ある職員の機転のお陰で助かり、ほっとしている」。長女(3)を迎えに来た30歳代の母親も「的確に対応してくれた職員の皆さんに感謝している」と語った。

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