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医療・健康・介護のコラム

[女優 北原佐和子さん](上)私、世の中に必要とされてないの? 心の隙間が「介護」で埋まった

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 80年代にアイドルとしてデビューした北原佐和子さん。後年は女優の仕事に軸足を移し、「水戸黄門」(TBS系)や「牡丹ぼたん薔薇(ばら)」(フジテレビ系)など、テレビドラマや舞台を中心に活躍してきました。実は14年前から、芸能活動と並行して高齢者施設で介護スタッフとして働いています。「女優と介護、どちらも本業」という北原さんに、介護の世界に飛び込んだわけを伺いました。(聞き手・飯田祐子、撮影・中山博敬)

「隙間時間」がつらかった

  ――芸能界でも介護に関わる人が増えていますが、ボランティア、あるいは芸能活動の一環としてレクリエーションなどに取り組むことが多いようです。北原さんの場合は常勤の介護職として働いているそうですが、どんなきっかけがあったのでしょうか?

 10代でアイドルとして芸能界に入ったのですが、後に女優として活動するようになると、隙間時間が増えたんですよね。連続ドラマの撮影が入っている間は休みもなかなか取れないのですが、それが終わったとたん、今度は数か月にわたって仕事がないということも。私は、やることがない状態が続くと気持ちが不安定になりやすくて、それがとてもつらかったんです。

  ――手持ちぶさたなのが苦痛だったのでしょうか?

 時間をもてあますというよりも、自分が芸能界、あるいは社会から必要とされてないのかな……なんて考えてしまうのが嫌でした。

 日本舞踊や三味線など、女優の仕事に生かせるお稽古事に挑戦したり、役で馬に乗る場面もあるので、乗馬の練習に行ったりもしていました。それでも、心の中にぽっかりと空いた穴のようなものがふさがることがなくて。「何か違う」という思いを抱えていました。

 そうして30代を迎え、その先の人生を考えるようになりました。自分がこれまで歩いてきた道を振り返ってみた時に、いくつかの記憶が鮮明に浮かび上がってきました。それが、どれも福祉につながることばかりだったんです。

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