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少女のリストカットの傷痕なでて「苦労したね」…つらい経験に寄り添った寂聴さん

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 瀬戸内さんは2016年、生きづらさを抱える少女たちの居場所作りに取り組む「若草プロジェクト」を始めた。性被害や自殺未遂を経験した少女らを寂庵に招き、背中をさすり、リストカットの傷痕が残る腕をなでて「苦労したね。もう大丈夫よ」と優しく声をかけた。

少女のリストカットの傷痕なでて「苦労したね」…つらい経験に寄り添った寂聴さん

東日本大震災の被災地・岩手県野田村で児童に励ましの言葉をかける瀬戸内寂聴さん(2011年6月2日)

 昨年秋の活動報告会では「私の遺言」として寄せたビデオメッセージで、「今つらいことが色々あるけれど、絶対変わると思ってね、耐えようと思って生きてください。私の最後のお願いです」と語りかけた。

 今年4月には、東京都内に新設した女性向けの施設に、執筆机と本棚を寄贈した。プロジェクト代表の大谷恭子さん(71)は「突然の知らせで悲しい。先生の遺志を継いでがんばらなくては」と話した。

 瀬戸内さんは東日本大震災の被災地も訪れ、被災者を勇気づけた。11年6月には岩手県野田村の野田小学校で児童約200人を励ました。当時から同小で学校支援員を務めている女性(42)は「寂聴さんが『村は必ず元に戻ります』と話されていたことが印象に残っている。当時は先が見えなかったが、勇気づけられた」と感謝した。

 瀬戸内さんが05年まで18年にわたり住職を務めた岩手県二戸市の天台寺では11日、親交のある檀家らが死去を惜しんだ。かつて瀬戸内さんをバイクのサイドカーに乗せて市内を巡ったという同市の男性(72)は「どんな困りごとを相談しても解決策を出してくれた。会えば周りがぱっと明るくなった。もう一度会って話したかった」とさみしそうに語った。

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