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子どもの健康を考える「子なび」

医療・健康・介護のコラム

おなかのトラブル(1)「急に始まった腹痛」は重い病気の可能性

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  下痢や便秘から炎症性腸疾患まで、おなかでは様々なトラブルが起きます。診察のタイミングや対処法について、大阪母子医療センター(大阪府和泉市)の恵谷ゆり消化器・内分泌科主任部長に聞きます。(聞き手・石川千佳)

 子どもに「おなかが痛い」と言われると心配になりますね。おなかの中には胃や小腸、大腸など食べたものを消化し、栄養を吸収するための消化管がくねくねと折りたたまれて収まっています。栄養分を貯蔵し、有毒な物質を解毒する肝臓や、消化酵素やインスリンを分泌する 膵臓すいぞう など多くの臓器に加え、女の子の場合は卵巣や子宮などもあるので、腹痛の原因は小児科医でも簡単には特定できません。

 腹痛には、締め付けられるような鈍い痛みが間欠的にやってくる「内臓痛」や、持続的に鋭く痛む「体性痛」などがあります。ほかにも、筋肉痛や息苦しさを腹痛と勘違いして訴えていることもあります。背中をさすったり安静にさせたりすることで腹痛が落ち着いてくると、ひとまずは安心できます。

 一方、腹痛が急に始まった場合は重い病気のサインかもしれません。子どもの顔色が悪かったり、痛みがひどくなってきたりしていれば、時間外でも救急外来の受診を考えてください。腹痛とともに 嘔吐おうと や下痢が続くときも脱水症になる可能性があるので、病院に行った方がよいと思います。

 ただ、判断に迷うときも多いでしょう。そんな時は、小児救急の電話相談(#8000)をお勧めします。看護師が無料で相談に応じてくれます。

恵谷ゆり 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医

【略歴】
 恵谷ゆり(えたに・ゆり) 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。大阪市立大卒。大阪府立急性期・総合医療センター(現大阪急性期・総合医療センター)小児科、大阪母子医療センター消化器・内分泌科に勤務し、2017年から現職。

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