文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

「ブレイクスルー感染」、群馬で全体の3割に…高齢者に抗体残りにくく

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
「ブレイクスルー感染」、群馬で全体の3割に…高齢者に抗体残りにくく

 新型コロナウイルスワクチンの2回目接種から2週間後以降に感染してしまう「ブレイクスルー感染」が群馬県内では10月末までに少なくとも437人に上ることが、県感染症・がん疾病対策課のまとめでわかった。10月の全感染者に占める割合は3割に達し、県民に基本的な感染防止策の継続を求めるとともに、県は3回目の接種計画を検討していく。

 同課によると、ブレイクスルー感染は7月が14人、8月が162人、9月が194人、10月が67人。感染者全体に占める割合は、7月の1・9%から次第に上昇し、10月は30・5%だった。ただ、ワクチンの効果があるとみられ、9割以上が無症状か軽症だったという。

 ワクチン接種の対象となる12歳以上の県民は約178万人で、11月7日時点の2回接種終了者は84・4%となっている。同課はブレイクスルー感染者が増加傾向にある要因について、感染力が強いインド由来の変異ウイルス「デルタ株」の拡大、接種後の抗体量の低下なども影響しているとみている。

 9~10月には伊勢崎市の病院、同じ事業者が運営する太田市の住宅型有料老人ホームと桐生市のデイサービスセンターで、ブレイクスルー感染のクラスターが発生。3施設の感染者計70人のうち68人が、2回接種済みの感染者となった。同課の担当者は「ブレイクスルー感染は症状が比較的軽いため、発見が遅れるおそれもある。ワクチンを接種済みでも、異変があれば速やかに医師に相談してほしい」としている。

 厚生労働省は十分な抗体量を維持するため、2回接種済みの全希望者に対し、8か月以上の間隔を空けて3回目の追加接種を進める方針。県ワクチン接種推進課は、12月以降の接種計画の検討を進めていく。

高齢者 抗体残りにくい

 ブレイクスルー感染の注意すべき点について、群馬パース大の木村博一教授(60)(感染症学)に聞いた。

 ――ブレイクスルー感染はなぜ起きるのか。

 「新型コロナのワクチンは、感染や重症化を抑える効果が、他の感染症のワクチンと比べて高い。多くの人は2回接種して2週間が過ぎれば、十分な量の抗体を得られる。だが、どんなワクチンでも、抗体量は次第に減る。抗体が少なくなった状態でウイルスが体内に入れば、感染してしまう可能性はある」

 ――ただ、感染しても、ワクチン接種済みであれば軽症や無症状が多い。

 「細胞は抗体をつくる方法を記憶しているため、ウイルスの侵入に反応し、再び抗体を作ってくれるからだと考えられる」

 ――特に注意すべき点はどんなことか。

 「高齢者は、抗体が残りにくい人も多く、病院や介護施設では、感染リスクが高まる。マスクの着用や手指消毒など基本的な対策を継続すべきだ。抗体カクテル療法が普及し、飲み薬の開発も進む。新規感染者が少ない状況を維持したい」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事