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自分の抗体の量を知りたい…新型コロナ「抗体検査」 接種の効果は評価難しく

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新型コロナ「抗体検査」の意味…接種の効果 評価難しく

   2回の新型コロナワクチンの接種を済ませた人が、国民の7割を超えたね。感染者が随分減ったのは、その効果?

  ヨミドック  効果は大きいですね。接種で増えた抗体は、体に入ってきたウイルスの増殖を防いでくれます。これまでの研究では、抗体の量はワクチンを2回打って2週間たった頃が最も多くなり、その後、減っていきます。3か月たつと、4分の1程度になるとの報告もあります。

   心配だ。自分の抗体の量がどれくらいか知りたい。そんな検査、ある?

   抗体検査ですね。血中の抗体を調べます。一般的には、ウイルスのトゲの部分の「スパイクたんぱく」に対する抗体の量をはかります。ワクチン接種で、スパイクたんぱくに関わる抗体の量が増えるためです。通常は、専用機器が使われます。

   どこで受けられるの?

   医療機関の一部で行われています。公的医療保険が利かない自由診療になるので、1回数千円から1万円ほどかかるようです。

 抗体検査には、抗体の量をはかれる検査と、抗体の有無だけがわかる検査キットがあります。ともに所要時間は10~30分程度。市販のキットは主に感染歴を確かめるものです。ワクチンの効果を評価するのに適しているとは言えないものが多く、注意が必要です。

新型コロナ「抗体検査」の意味…接種の効果 評価難しく

   抗体の量が少なかったら、ワクチンを2回打っていても感染するの?

   残念ながら、感染リスクをゼロにはできません。3回目のワクチン接種を受けるべきかどうかの議論で、抗体の量に注目すべきだという意見があります。

   ワクチン接種を4回、5回と続けるのかな?

   可能性はありますが、一方で、抗体の量だけで感染リスクの判定はできないのではという意見もあるんです。

 抗体の量が減っても、接種の効果で「抗体を作る記憶」は残るとされます。記憶があるのでウイルスが侵入した時に、すぐ抗体が作られ、重症化を防ぐ、または、無症状で済むと考えられます。

   難しいんだね。

   ですから、ワクチンを過信せず、ワクチン以外の感染対策も怠ってはいけないでしょう。

 (辻田秀樹/取材協力=小原道法・東京都医学総合研究所特別客員研究員、柳原克紀・長崎大教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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