文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

LGBT向けオーダースーツ店オープン…既製品では手に入りにくいサイズにジャストフィット

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 性的少数者(LGBT)の人たちの心にも体にもフィットするスーツを――。千葉県内でスーツ店を営む井出俊信さん(45)が、LGBT専門のオーダースーツ店を同県船橋市にオープンさせた。井出さんは「表現したかった自分になるお手伝いがしたい」と話している。(鶴田瑛子)

LGBT向けオーダースーツ店オープン…既製品では手に入りにくいサイズにジャストフィット

小柄な体形に合わせて作られたメンズスーツやネクタイを持つ井出さん(船橋市で)

躊躇する人多い

 店名は「ファブリックレインボー」。船橋市役所からほど近い国道14号沿いにある。「周囲にLGBTと知られたくない人でも来店しやすいように」と、あえて人目に付きにくい雑居ビル4階に6月、開店した。

 男女の体は、肩幅や胸囲、腰の太さなど、骨格バランスが異なるため、LGBTの人にとって、自分の心の性に合う既製品のスーツを見つけるのは難しい。見た目と異なる性別のスーツを求めて店に入ることを 躊躇ちゅうちょ する人も多い。

1500種の生地から

 そうした悩みに応えるのが同店だ。採寸し、1500種類の生地の中から、男性用か女性用のスーツが作れる。市販では手に入らない22センチの男性用革靴や、一般的なものより7センチ短い細身のネクタイも取りそろえる。井出さんは「どんなスーツが欲しいのかというイメージさえあれば、その人に合ったスーツを作れる」と力強く語る。LGBTであると打ち明ける必要もない。

 井出さんは元々、佐倉市や八千代市でオーダースーツ店を営んでいた。2016年頃、心と体の性が異なる「トランスジェンダー」の人が上司に打ち明けたところ、言い触らされて自殺したという新聞記事を読んだ。「自分らしく生きられない世の中はおかしい」。憤りを覚えた井出さんは、LGBT向けのスーツづくりを始めた。

遠方からもニーズ

 宣伝に力を入れていないのに、関西や九州などの遠方から、400人ほどが来店したという。「出来上がった時のうれしそうな表情から、格別にうれしいことが伝わった」と話す。ニーズを実感し、LGBTの人たちが安心して来られる専門店の開業を決めた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが進み、スーツ業界は苦境に立つ。井出さんも「正直苦しい」とこぼしながらも、「多様性の時代にスーツ店として応えたい」と話している。

 スーツは1着、2万3100円(税込み)から。来店には予約が必要。問い合わせは同店(047・401・6137)へ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事