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教えて!ヨミドック

医療・健康・介護のニュース・解説

雑巾がうまく絞れない…「握力低下」は全身の衰えと関連 死亡リスクも高く

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教えて!ヨミドック-211016

   最近、雑巾がうまく絞れなくなって……。

 ヨミドック  握力は40歳ぐらいから徐々に落ちます。高齢になると、低下のスピードが速くなります。握力が弱い人は、強い人と比べて死亡リスクが高いのです。

   え! 握力って「物をつかむ力」ってだけでしょ。なぜ寿命と関わるの?

   握力が強い人は、足や背中、腕などほかの部位の筋力も強い傾向があります。筋力の衰えの主な原因に、筋肉の減少があります。筋肉は、血管を健康に保つホルモンを分泌し、免疫も高める役割があります。減れば、循環器疾患や肺炎などのリスクが高まるとされます。

   そういうことか。

   福岡県久山町の住民を対象とした研究があります。40歳以上の約2500人を、握力別に「低」「中」「高」の3群に分け、19年後の死亡例を確かめました。65歳以上の総死亡リスクは「低」と比べ、「中」は半分、「高」は6割も下がりました。特に心筋 梗塞こうそく や脳卒中など循環器疾患や呼吸器疾患の死亡リスクに大きな差がありました。65歳未満も似た結果でした。

   握力は、どのくらいあればいいの?

握力が低下 年のせい?…全身の衰え 寿命にも影響

   東京都健康長寿医療センターが、高齢者に関して「健康づくり」と「介護予防」の目標値をそれぞれ作りました。健康づくりは、これだけあれば安心という値。介護予防は、自立した生活にこれぐらいは必要という値で、65~74歳は男性28キロ以上、女性18キロ以上、75歳以上は男性24キロ以上、女性15キロ以上です。

 高齢者の場合、加齢による握力低下は年0・5キロ程度です。1年で1キロ以上落ちたら、病気など別の原因かもしれません。医師に相談しましょう。

   測ってみよう。

   文部科学省などの測定方法を参考にしてください=イラスト参照=。自治体では高齢者の体力測定会などで握力を測定しています。

   目標値以下だったらどうしよう?

   全身の衰えのサインと受け止めて生活を見直しましょう。荷物を持つ、階段を使うなど毎日の積み重ねが大事。周りも「年だから」などと、むやみに筋力維持の機会を奪わないことです。肉や魚など筋肉のもととなる良質なたんぱく質の摂取も忘れずに。

 (中島久美子/取材協力=岸本 裕歩ひろ ・九州大准教授、新開省二・女子栄養大教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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