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なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

体外受精を繰り返し、死産も経験 絶望の中で卵子提供を受けることを決意

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 みなさん、こんにちは。なかさとみです。世の中の人々に少しでも卵子提供について知っていただくために、コラムでは色々と詳しく書いていこうと思っています。今回は「卵子提供を受けることを決意した女性」から体験談を寄せていただきました。現在、40歳になるMさんです。

卵子提供を受ける決意をしたMさん(40)の話

体外受精繰り返し、死産も経験 絶望の中で卵子提供を受けることを決意

 「40代での挙児希望に対しては、『その年で子供がほしいなんて親のエゴだ』『親が高齢で子供がかわいそう』、そんな声が聞こえてきそうです。私自身、治療に苦戦する自分を 俯瞰(ふかん) しては、世間代表の声のような、それらの言葉を自らにぶつけ、問いかけ苦悩することを続けてきました。今、卵子提供の道を選んだことに後悔はありません。ただ、自戒の念を込めて、また今後一人でも同じ思いをする人がないよう願い、高齢不妊に至る経緯を記します」

30代後半から妊孕性の低下は知っていたのに

 「29歳で結婚し、36歳で体外受精を始めるまで、仕事の忙しさや度重なる転居などを理由に妊娠・出産を先送りしてきました。20代から30代という連続する変化の中で、体の衰えを自覚していなかったようにも思います。また、年上の女優さんの30代後半以降での出産のニュースを見ては、『今は高齢出産も普通。自分も大丈夫』と無意識に考えてしまっていました。35歳前後からの急激な 妊孕(にんよう) 性の低下は知っていたはずなのに……」

 「私の妊孕性の低下は平均より早めだったようで、治療を始めても実らず、結果的に自己卵子での高齢出産はかないませんでした。子供を持つことを少しでも考えている方には、絶対に先送りだけはしないでほしいと思います」

死産による絶望の中で夫と選んだ道

 「36歳から体外受精を繰り返しましたが、いわゆる卵子の質の低下により、結果は出ませんでした。最後に一度だけ奇跡的に妊娠するも、妊娠7か月で死産に終わりました。死産の経験はこれ以上ないほどつらく悲しく、同時に、母になりたいという思いを確固たるものにするのに十分でした。卵子提供を受けて夫の遺伝子だけでも残せ、母になれる可能性があるなら、その可能性を信じたい。待望の我が子を亡くした絶望の中で、私と夫が選んだ道はこれでした」

 「卵子提供においては、将来、直面する特有の課題が多くあるでしょう。例えば、子供への告知をいつどのように行うか、同じドナーから産まれてきた子供の存在など。もし卵子提供で授かることができたら、私たちは、その一つ一つについて夫婦で話し合って対処し、子供を大切に守り育てたい。望まれて生まれ愛され続ける存在として、家庭から社会に送り出したい。それが今の思いです」(以上、Mさんの体験談)

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なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

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