スポーツDr.大関の「ムーヴ・オン!」
医療・健康・介護のコラム
思いがけない肩の痛み。その原因と対処法は?
ヨミドクターの読者のみなさん、整形外科医の大関信武です。今回から心機一転、装いも新たに連載コラムが再スタートしました。けがや病気に見舞われたとしても、「止まらずに、前に進み続ける」の意味を込めて、タイトルに「ムーヴ・オン!」と名付けました。
スポーツ選手だけでなく、多くのみなさんに役立つ内容を心掛けますので、引き続き、ご愛読をお願いいたします。
あの「平成の怪物」がとうとう…
毎年、プロ野球のシーズンが終わりに近づくと、寂しいニュースが届くようになります。今年は、「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔投手が、とうとうマウンドを後にしました。甲子園、プロ野球、オリンピック、そしてメジャーリーグ……。さまざまな舞台で躍動したピッチングフォームは、今でも多くのファンの目に焼き付いています。
肩や首、肘のけがなどが重なり、選手としてのキャリア後半は苦労する姿ばかりを見ていたように思います。今年10月19日に開かれた引退記者会見では、「米レッドソックスに在籍していた2008年ぐらいに、足を滑らせたときに右肩を痛めた」と話していましたが、返す返すも残念でなりません。あの胸がスカッとするようなキレのある速球をもっともっと見たかったですね。
肩の故障で、思うような活躍ができなかった野球選手は大勢いますが、もちろん、一般の方々もこの部位に痛みや動きにくさを感じることは珍しいことではありません。身近なものでは、加齢に伴って発症する「五十肩」があります。正式には「凍結肩」と呼ばれます。まるで肩が凍ってしまったかのように動かすことができなくなり、「シャツが着られない」「顔を洗うのにも苦労する」などと訴えて、整形外科を受診する患者さんも多くいます。
多くは自然に軽快していきますが、超音波検査やMRI(磁気共鳴画像)検査をすると、もっと深刻な 腱 板断裂などが見つかることもあります。単純な五十肩なら、リハビリテーションのほか、ステロイドやヒアルロン酸の注射で痛みが軽くなることもありますので、整形外科に相談してください。
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