エッセイスト 小島慶子さん
一病息災
[エッセイスト 小島慶子さん]ADHD(4)耳にする「クラスに発達障害の子がいて不安」…ウェブで公表 理解広げたい
3年前にウェブのエッセーで、ADHD(注意欠如・多動症)を公表した。周囲には話していたし、特に隠していたわけでもなかったが、反響は予想外に大きかった。
発達障害やADHDという言葉が広く知られ、関心を持たれるようになったことは、とてもよかったと思う。
だが、「うちの子のクラスに発達障害の子がいて不安」とか、「あの芸能人、きっと発達障害だね」という決めつけも、しばしば耳にする。自己診断で「天才の称号」のように言う人もいる。
「捉え方が極端だし、なんだか雑だな」と感じていた。
ADHDでも、困りごとの内容やその度合いは、人によって違う。
「『私がADHDを代表して話します』ではなく、『私の場合は、こうなんです』ということを話してみようと考えたのが、公表した理由です」
公表後、「実は私も同じようなことで悩んでいる。受診してみたい」とか、「小島さんもそうだと知って安心した」といった声を多くいただいた。
ただ少し困るのは、何でも「ADHDのせいですね」と理由付けられること。「例えば、ADHDは時間管理が苦手な面がありますが、他の人同様、電車の遅延で遅れることもある(笑)。善意の一言でも、ちょっと複雑な思いはあります」
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エッセイスト 小島慶子 さん(49)
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