楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
医療・健康・介護のコラム
「イデコとパスモ、どう違うの?」と言うあなたへ…三つの税制優遇がある確定拠出年金は「習うより慣れろ」です!
前回 のコラムで「老齢年金の繰り下げ受給は最大84%増になるものの、定年退職から年金を受給開始するまでの生活費が問題だ」という話をしました。今回は、定年後の生活費(老後資金)の 貯 め方についてお話ししましょう。(本記事で紹介する制度などに関する情報は、2021年10月末時点のものです)
原則60歳まで引き出しができない
結論からお伝えすれば、老後資金を貯めるなら確定拠出年金がお勧めです。確定拠出年金とは、国が用意した老後資金専用の貯蓄制度で、字面は愛想がありませんがメリットはたくさんあります。
最初のメリットは、原則60歳まで引き出しができないこと。使い勝手としては、「引き出せない」というデメリットはあるものの、「老後資金を貯める」という意味では「半強制的に貯蓄ができる」というメリットがあります。
二つ目は「税制優遇」で、これは確定拠出年金という制度を理解するキーワードです。イメージとしては、確定拠出年金という「通路」を通るだけで自然と節税ができる感じでしょうか。〈1〉入り口〈2〉預けている間〈3〉出口の3か所で節税できるので、図でポイントを押さえた後に詳細を説明します。
●確定拠出年金の税制優遇イメージ
(筆者作成)
- 〈1〉<入り口>住民税と所得税が軽減できる
- 確定拠出年金の掛け金は全額所得控除になるので、住民税と所得税が安くなります。節税の威力はシミュレーションをするとわかります。「確定拠出年金」「節税」「シミュレーション」で検索するとたくさんのサイトがヒットするので、ご自身の条件をインプットしてみてください。3分あればできます。
- 〈2〉<預けている間>運用益に税金がかからない
- 運用中の運用益が非課税となる点も見逃せません。似たような制度に「NISA(少額投資非課税制度)」がありますが、こちらは文字通り「投資」商品のみ。確定拠出年金は、元本確保型の商品も非課税の対象になる点がポイントです。投資アレルギーがある人は、「とりあえず、元本保証商品を確定拠出年金で始めてみる」だけで節税効果があります。
- 〈3〉<出口>退職所得控除や公的年金等控除が受けられる
- 今はピンとこないかもしれませんが、受け取り時に、税金の控除が受けられることも大きなメリットです。一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る時には公的年金等控除、一時金と年金の併用時は、退職所得控除と公的年金等控除が受けられます。
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長期投資のための制度であるiDeCoの記事で「利益確定」の語が出てくるのには違和感がある。
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