文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

幸福長寿のすすめ(14)高齢になったら「見た目」も大事!?…若々しさや身だしなみは「健康状態」と関係

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

  このシリーズでは、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥)

 「人は見かけで判断してはいけない」とよく言われますが、高齢者の見た目は、医学的に大きな意味を持っています。

 身だしなみをきちんと整える「整容」がおろそかだと、その人の気持ちが自分自身に向いていないことがうかがえます。認知機能の低下や貧困による社会との断絶といった問題が、背景に隠れているかもしれません。身だしなみやおしゃれに興味を持ち続ければ、健康長寿や認知症予防に効果があると期待されており、「化粧療法」という言葉もあります。

 見た目と健康状態などの関係を示す様々な研究成果も報告されています。70歳以上の双子1826人を10年間追跡した海外の研究(2009年発表)では、顔写真で判断された「見た目年齢」が双子の間で大きく異なるほど、より老けて見える人が先に亡くなっているとの結果が出ました。愛媛大病院の「抗加齢ドック」を受診した50歳以上の273人を対象にした研究(12年発表)では、実際より若く見える人は、動脈硬化の進み具合を示す数値が低かったそうです。

 さらに、物忘れで東京大病院に入院し、アルツハイマー病などと診断された87~74歳、124人の研究(20年発表)では、医師や心理士計10人が患者らの顔写真から見た目年齢を評価。高齢者の認知機能を測るうえでは、見た目年齢の方が実年齢より測定結果と相関することも分かりました。

 こうした研究が進めば、カメラの前を通るだけで、あなたの健康上の問題をコンピューターが瞬時に判定し、スマートフォンに改善法がメッセージで届くようなシステムが実現するかもしれません。

楽木宏実さん

【略歴】
 楽木 宏実(らくぎ・ひろみ)
 1984年、大阪大学医学部卒業。89ー90年、米国ハーバード大学、スタンフォード大学研究員。2004年、大阪大学大学院加齢医学助教授、07年から同老年・腎臓内科学教授。内科学講座の改組により15年10月から現職。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

otonabi_logo_200

大人の健康を考える「大人び」
大人に特有の体の悩みに応えるコーナーです。各テーマの専門家がアドバイスします。

大人の健康を考える「大人び」の一覧を見る

最新記事