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「大麻の合法的成分を投与した未成年」の大半が所在不明…元教授4論文、京大が捏造と発表

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 京都大は15日、京大霊長類研究所(愛知県犬山市)元教授で著書「ケータイを持ったサル」などで知られる 正高まさたか 信男氏(66)が2014~19年に発表した4本の論文が 捏造ねつぞう だったとの調査結果を発表した。

 正高氏は昨年3月に霊長研を定年退職したが、当時既に不正の疑惑があったため、退職金の支払いは保留になっている。霊長研は今後、4本の論文について正高氏に撤回を勧告するとともに、処分を検討する。

 発表によると、4本はいずれも正高氏が一人で執筆しており、うち1本は大麻の合法的成分「カンナビジオール」(CBD)の効果を調べた論文。対人関係を築くことが困難な社会不安障害の改善に効果があるかどうかを調べるため、18、19歳の男女に投与したとの内容で、19年にスイスの科学誌に掲載された。

 

 京大の調査に正高氏は、研究に参加したとされる36人分の親が書いた同意書を提出した。しかし、京大が36人に郵送で参加の有無などの確認を試みたところ、30人が宛先不明で届かず、4人が研究参加を否定、2人が回答を控えるとした。

 また、CBDを2人分に満たない量しか購入していないことも判明。参加者の追跡調査をしたとされる精神科医は論文中では匿名で、特定できなかったという。

 このため京大は捏造と認定した。ほかの3本も、研究対象とした幼児を特定できる資料が正高氏から提出されず、捏造と認定した。

 正高氏は読売新聞の取材に「同意書の住所が正しくないだけで正当な研究を否定する、ずさんな調査だ。精神科医の名前と連絡先は伝えた。特定できないとの結果は理解に苦しむ」と反論した。

来年度 解体検討

 

 半世紀以上にわたり国内外の霊長類研究をリードしてきた霊長研について、京大が来年度から組織再編し、解体する方向で検討していることがわかった。

 霊長研を巡っては正高氏の問題とは別に、京大が昨年6月、飼育施設整備で約5億円の不正支出があったと発表。会計検査院も同年11月、京大の調査分を含めて約11億円の不適切な支出があったと指摘していた。

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