シニアとお金
医療・健康・介護のコラム
シニアの家計に重い「通信費」 どう見直す?
シニア世代の家計の支出で、食費に次いで高いウェートを占めるのが「交通・通信費」だ。総務省の家計調査(2020年)によると、65歳以上の夫婦無職世帯では、支出全体の12%に上る。このうち通信費の見直しをどう進めればいいのだろうか。
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)の岩田 百 り子さんは、「日常の通話やネットの利用状況を洗い出し、これからもよく使うものを見極めるところからスタートしよう」とアドバイスする。
「通話は固定電話? スマホ?」「メールはパソコン? スマホ?」「動画配信サービスは利用する?」――など、何をどのくらい使っているかを確かめれば、残すもの、削るものが見えてくる。岩田さんは「利用状況について、直近の1か月間、それが難しいなら1週間でもいいので、丁寧に点検し、仕分けをしてみてほしい」と話す。
日頃の暮らしを振り返り、動画配信サービスで映画を楽しむなど大量のデータ通信を利用する習慣がない場合、従来の固定回線から、携帯Wi―Fi(ワイファイ)ルーターに切り替えるのも一つの手だ。
さらに、パソコンでメールを送受信し、飲食店の情報などを検索する程度ならば、「テザリング」といってスマホのデータ通信でネットにつなぎ、固定回線やルーターを解約することも考えてみたい。スマホの無料通話アプリや、そのテレビ電話機能で友人と会話する方法もある。
近年は携帯大手がスマホの割安な料金プランを打ち出しているほか、格安スマホ事業者も相次いで参入している。活用を検討するのもよい。
岩田さんは「毎月支払う通信費の見直しは、継続した節約効果が得られる。ただ、サービスの切り替えに伴い、これまでのメールアドレスが使えなくなったり、新たな機材の設定をする手間が生じたりもする。メリット、デメリットをよく見極めてほしい」と語る。(野島正徳)
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