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顔も見たくない・頭おかしいのか…密室で1時間暴言、学生「死にたい」と訴え休学
北海道立の看護学院で学生らからパワーハラスメント被害の訴えが相次いでいる問題で、道が設置した第三者調査委員会(座長・山内良輔弁護士)は12日、2015~20年度に延べ52件のハラスメントを認定したと発表した。11人の教員が関与しており、道は、学生らに謝罪するとともに、教員の処分などを検討する。
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道立の看護学院のハラスメントについて説明する山内座長(中央)ら(12日、函館市で)
「小さな一歩だけど、ようやく前進した。道がもっと早く動いていれば、息子はこんなことにならなかった」
江差高等看護学院を昨年12月頃に休学した男子学生(19)の母親は、そう憤った。
母親によると、男子学生は「人を助ける仕事がしたい」と小学生の時から看護師を夢見ていた。同学院への合格が決まると親子で手を取り合って喜んだ。
だが、昨年4月の入学後はささいなことで教員に厳しく 叱責 された。同10月頃には、この教員から「顔も見たくないし、授業にも出てほしくない」「頭がおかしいのか」などと、密室で1時間にわたって暴言を吐かれたという。
男子学生は、「死にたい」と母親に打ち明けるようになり、休学を決めた。母親は「息子は今でも学院のことを考えると心臓が苦しくなり、手が震えているが、看護師という夢は諦めていない。道はハラスメントをした教員を厳しく処分してほしい」と訴えた。
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